流れ
この世界には逆流と順流がある。
私は順流的でやっていこうと思うのだが、
潮流に逆らうにしても、どうせ呑み込まれる運命にあるのだから、
私は流れにしたがうというよりも、いつもそういうトレンドに乗り遅れているという状態であろう、
実際に私がそれに乗り遅れているなら、この破滅の流れが、私を呑み込むのにも時間がかかるのかもしれないが。
生命が、いつも時間の流れに追われていく方針を示しているのに、私は疑いを容れる余地はなかったといえる。
君は潮流にさからう派か?そうであれば、
主流派にさからうつもりなのだろうが。
時間は朝方の空のようなものである。
それは広々として、遠くこの破滅の世間から離れて、いつもわが人生を眺めている。
わが流転の人生は、視点のない監獄のようである、
そこには誰も私をみつめる人は、一人としていない空間であるから、たいへん気楽なものである。
わが有為の人生は、火の燃えぬキャンドルのようである、
そこにはもう冷めきった、永遠の魂しか残っていないのだから。
わが後ろ姿はもはや消え去っている風である。
わが人生を前向きに振り返ることはできぬ。
いつまでもただ、時間の流れが深遠な眼でわたしをみつめているだけである。
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