己の安っぽいルサンチマンに対してあらためて抱いた恐怖心
小林秀雄みたいな言論者にならないようにと反省しました。みんなの心の中にもきっと小林秀雄が潜んでいますよ。
恐ろしいことに、志賀直哉という怪物もおります。この二人を反面教師として深刻な学びの道をたどっていく必要がある。非常に良質な反面教師なんでしょうな。
自分の問題から逃亡したらダメだな。他者から逃亡するのは別に不都合ないと思うが、自己の内面と現実への認識から敗走したら命取りだなあ。生活における緊張を律儀に批判しない自分に対して恐怖心を覚える。
僧侶ふうに深刻ぶったり見せかけるのは大いに間違いであるし、到底擁護できるものではない。パラドックスの論理である。
感想として、このヘンテコで根深いパラドックスの地獄(自分を深刻そうに見せて騙しかけること)からたまたま抜け出せた時は痛快である。またそこへ後戻りするかもしれない不安定さもあるから恐ろしいのである。このパラドックスの論理っていうのは精神主義、蒙昧主義に属するみたいですね。相手にするのもほどほどにしておきたい厄介者であるが、非常に手強い相手なのはまだまだ自分への自己批判が足りないからであろう。現実の生活において現れるこの露骨な本質、己の未熟さに恥じ入るばかりである。俺は哀れな人間である。
自分自身の内面において、頻繁にみかけるこの優等生とか品行方正さを演じさせる一種のルサンチマンは、みずからを反省した際にあらためて不気味な感じさえ与えるのである。これこそがいわゆる原罪とかいうやつの正体じゃないかとまで勘繰ってしまう。
自分を悲劇の当事者として振る舞わせている素振りが厳然としてあるという自覚はこれから将来にわたって再三繰り返していかないといけない。お前のこのルサンチマンをしつこく蒸し返してやるからなと自分に言い聞かせる。
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