詳しく書いてしまうとネタバレになってしまいますが、生きるためには避けては通れない『食』をテーマにしたダークファンタジーです。
「食べる」こと自体、なんら不思議なことではありません。日々好悪に関わらず、人はなにかしらを食べて生きています。
けれども最早、人は純粋な栄養補給の意味での食事はできなくなってしまいました。流行の最新スイーツが店頭に並び、食料品の値上げラッシュは家計を直撃し、孤独な昼食を嫌ってトイレで食べるランチメイト症候群なんかもあります。
人間にとって、食とは「悩ましいもの」という側面も持ち合わせています。
本作は、ある種それを突き詰めた作風を持っていると感じました。
冒涜と悲哀が香る傑作ダークファンタジーですが、反面タグのとおり、スプラッタな描写も多いため、読む時はご注意を。