3章 第28話

100年…、いや、150年くらい前…そう、ここは、金丸耕平がいる世界の150年くらい前の話。助八は夢を見ていた。助八「ハァハァっ」目の前にいる巨大な8つの頭を持つ蛇に対して一歩も引こうとしない助八がいた。権平「助っ!危ない、もう逃げぃ!」助八の後ろには傷だらけの権平がいる。かばうように助八が刀を両手でヤマタノオロチに向けている。ヤマタノオロチ「おいおい!無理するな若造。ハッハッハッハ」オロチからしたら見たら米粒ほどの人間、遊び程度にしか見てはいない。しかし、助八は一歩も引こうとしない。天空から声がしてきた。「助八、助八、起きなさい。」助八「くぅー、ハッ!母上、なんだ夢かっ」母上「早く支度して、山んいきなさい。」助八「母上、夢で権平とヤマタノオロチと戦ってたんだよ!笑っておくれよ。」母上「まぁヤマタノオロチですって!助八も想像力豊かになったのね。」と言い母は笑ってみせた。助八の時代でもヤマタノオロチは伝説上の物で非現実な物だからだ。助八「んじゃ、母上行ってくるよ。おむすびありがとう。」母上「権ちゃんにも分けてあげてね。」助八「うん、今日は松茸もとってくるから!」母上「まぁ嬉しい、頼んだわよ。」助八は明治の時代を生きていた。助八の家は百姓をしていた。女手1つである母を必死で支えているのが、今の助八である。見た目は端正と言っても嘘ではないくらいだ。25歳を向かえ、農家の仕事をしながら、空いた時間に近所で同じ百姓の権平と山で動物や食べれる物を探すのが日課である。2人は幼馴染でもある。

助八「権平ぃ!行くぞー」権平の家の前につくと助八は叫んだ。2人の境遇は似ていた。裕福ではない家、百姓、共に父親を戦場で失っていた。助八「権、聞いてくれ、今朝珍しい夢を見たんだ。」何やら楽しそうに話す助八。権平「どんなだ?」助八「ヤマタノオロチが出たんだ。ハッハッハ」権平「ヤマタノオロチだって、そりゃ傑作だな。ハッハッハ」助八「おう、んでも想像してたよりも迫力あったぞ!8つの頭に山程ある巨体、目の前にしたら足が震えてたわぃよ」権平「そりゃあそうさ、世界一の妖怪だからよ。しかし、ヤマタノオロチとは笑わせるな助っ、もし現実にいたらおらぁチビッちまうぞ!ハッハッハ」権平も割と端正な顔立ちをしている。2人は話しながら山を登って行った。

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