第9話 

金丸「あーなんだろうこの感覚ー」金丸はミコに「表」の世界へ飛ばされていた。まるで無重力空間に飛ばされたように金丸の身体はぷかぷか浮いている。今、金丸がいる場所は「裏」と「表」の間にいる。しかし、金丸は何故か目を開ける事ができないでいた。

金丸「なんで目が開かないんだろう…そんなことより、なんか懐かしいなぁこの感覚…ずっと昔に来た気がする…」金丸は今次元の間にいるのであった。



仁村京一(にむらきょういち)27歳は心臓外科医として伊勢病院に勤めている。

仁村「大嶽丸(おおたけまる)とかいって、笑えるよ(クスッ)、まさか、見られるなんて思わなかったよ参ったよ。こんな現実あるんだな…まぁいいやぁ(クスッ)」仁村は誰もいない病室で青白い雰囲気をかもし出していた。



坂上田村麻呂「いざ!参らん!!」そういうと田村麻呂は剣を抜いた。田村麻呂は剣を下斜め向きに両手で持っている。田村麻呂は剣を地面に当たるか当たらないかくらいのままで走りだした。その先には、赤い鬼がいる。

坂上田村麻呂「貴様は貴様に値しない外道だぁ!!」大嶽丸「はぁ!?雑魚が一度たまたま勝ったくらいで調子に乗るな!人間風情が!!」田村麻呂は大嶽丸の足から胴体に目がけて剣を振り上げた!

ガキン!大嶽丸の金棒が剣を弾いた!田村麻呂はグラつく!大嶽丸の怪力は人間の100倍以上はあろう。

大嶽丸はもう一方の金棒を田村麻呂に向かって振り下ろす。スッと田村麻呂は金棒を避ける!田村麻呂のスピードは彼の長所である。タケルのように空は飛べないけど田村麻呂の反射神経はそれに匹敵する。

大嶽丸「すばしっこい兎め!」田村麻呂「どうした!もう終わりか!」田村麻呂はジャンプしたそのまま10メートルはあろう大嶽丸の首を狙った剣を振るう!!大嶽丸はマトリックスのように巨体を身体を反らして交わす!

田村麻呂「なっなんだとっ!」思わずその反射神経にびっくりした田村麻呂!!大嶽丸は瞬時に片方の金棒を放して、その手で空中に浮いた田村麻呂を捕まえた。


ガシッ!

大嶽丸「つうかまえた!捕まえたぞぉカッカッカッ」田村麻呂「はっ離せぃ!下道!」大嶽丸「嫌だねクァ!」田村麻呂の身体は大嶽丸の巨大な手にグゥっと掴まれて離す事ができない。片手で十分に田村麻呂は握り潰されるほどだ。

大嶽丸「まずはこのまま骨をバキバキにしてから頂こうか?カッカッカッ」田村麻呂は大嶽丸の握力に苦しんでいる。坂上田村麻呂「くっぐるしぃっっぞ下道!」タケル「天誅ぅぅう!!!」突然大嶽丸の頭の上からタケルの声がした。

大嶽丸「チッ!上かっ!」大嶽丸は田村麻呂を人質にして、タケルの方へ田村麻呂を上に突き出した。タケル「卑怯な!」タケルはとっさに田村麻呂を切るまいと振りかぶった刀を反らして大嶽丸に蹴りを入れた!!


バシッ!!

タケルのキックが大嶽丸の角の下辺りの頭にヒットした!巨体の大嶽丸が倒れ込んだ!!田村麻呂は手から離され地面に落ちた。タケルは血だらけになりながらも、地面に立っている。巨体の大嶽丸の金棒をまともにくらっているタケル。


大嶽丸「中々やるじゃあねえか、ヤマタノを罠で勝ったとはいえ、俺に蹴りをくらわせやがるとはなっ!」大嶽丸は立ち上がり怒りをあらわにすりようにタケルに向かった。


タケル「こい!化け物!」大嶽丸の金棒が右横からタケルに向かう。タケルは消えた。大嶽丸「見えてるんだよ!」すると大嶽丸は右横から金棒を振った勢いを、そのまま身体を反転させて、もう一方の金棒を身体を反転させた勢いでエルボのように斜め下から上にあげた!!タケルはまた消えた!タケルは大嶽丸の真下に入っている!しかし、大嶽丸の目は下にいるタケルを見ている!そこに上空に田村麻呂が刀を振りかぶった状態で空中にいる!それに気づいたタケル!2人の呼吸が合致した時、タケルと田村麻呂が「天誅ぅ!!!」と叫んで斬りかかる!!


ガッキーーーン!!!

砂埃が舞う中、勝負はついたかのように思われた、砂埃が3人の姿を隠している。徐々に砂埃が消えていくと、上に田村麻呂、下にはタケル、真ん中には2人の刀を2本の金棒をそれぞれで受け止める大嶽丸がいる。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る