第8話 

ミコ「おじさんまたね。」金丸「へ!?なにするの?」ミコが金丸の背中に手を当てた瞬間、金丸は消えた。その後ミコは上空を見上げている。林の中からだからみずらいけれど、斜め垂直に物凄い勢いで飛んでいく兄を見つめていた。しばらくするとミコは兄に言われた通り親狐の背中に乗って家の方へ帰っていった。親狐は子狐を加えながら走っていった。


100メートル…200メートル…とぐんぐん上がっていくタケル、起立の姿勢で、綺麗な顔だけ上空を見上げながら、スピードは100キロ...200キロ…とどんどん加速していく。タケルの足先には、まるで飛行機雲のような白い線ができている。


300メートル辺りでタケルはピタッと空中で止まった。タケルは上空から森を見ている。


ヤマトタケル「あそこか。」どうやら大嶽丸を探していたようだ。タケルの目線の先に異様な黒いオーラが森から溢れ出ているのがわかる。今度は逆にタケルは垂直に急降下していく。物凄い勢いで急降下していく、さっきの2倍の速さで降りていくタケルは人間の目には見えない程の速さだった。


ヤマトタケル「十拳剣んんん!!」タケルは腰にかけてある2本の剣のうちの一本を叫ぶように抜きとった。段々鬼に近づいて行くタケル!!


ガッキーーーン!!!タケルの十拳剣が大嶽丸の金棒にぶつかる音がした。辺り一面に広がる音、地面から砂埃が出ている、更に大嶽丸はタケルの斜め垂直の攻撃により、地面を掘ったように20メートルは下がった。


頭から2本の角がでている鬼が顔を出した。身長は10メートル以上程はある。人間並のタケルのガタイの10倍以上はある怪物である


大嶽丸「どこいった!?さっき人間いただろ!表に出したのか須佐之男!?」タケルと大嶽丸の顔の距離は数十センチと近い。十拳剣と金棒はそのままぶつかったままだ。タケル「なんで切れ無いんだ!!」十拳剣はこの世に切れない物はないはず、それなのに金棒が切れていない!大嶽丸「十拳剣かぁ、須佐之男!鬼に金棒って言葉しってるかぁ!」そういうと大嶽丸はもう一方の手に持っている金棒でそのままタケルをぶん殴った。


ドッゴン!!!物凄い音がした!金棒で身体事殴らたタケルはふっ飛んでいった。


タケル「ぐわぁぁぁああ!!」大嶽丸「須佐之男ぉ今日の飯は人間の代わりにお前で我慢してやるよカッカッカッ(笑)」タケルは金棒で打たれた脇腹を押さえながら仰向けになったり横向きになったりしながら悶絶している。大嶽丸はそのタケルを見てドンドン近づいていく。


林の周りからスタスタっと素早く枯れ草を踏む音が聞こえる。誰かがこちらに近づいているのがわかる。タケルは悶絶しながらもその音に気付いていた。


大嶽丸「おいおい、貴様なんで伊勢に来ているんだ!?」大嶽丸もまた何かを察知して、林の方に話しかける。「貴様とはなんだ貴様こそ鈴鹿の山は飽きたのか!?」大嶽丸「ヤマタノが復活したらしいから会いにきてやったんだよカッカッカッ(笑)、ついでに良いパートナーもできたしな、人間の。」「貴様ぁ!貴様にこれ以上人間は食わせぬぞ!!」大嶽丸「カッカッカッ(笑)傑作だなぁ、田村麻呂ぉ!!お前も須佐之男も表の世界では英雄らしなぁ、カッカッカッ(笑)ここで無惨にも食われるのになカッカッカッ(笑)」


坂上田村麻呂「ふんっ!貴様またのたうちにされたいらしいな!」大嶽丸「天狗の噂聞いてないらしいな馬鹿がっ!まぁ天狗はよくやってくれた、ヤマタノを復活させて、俺に最強の金棒を渡してくれたからなカッカッカッ(笑)グァハッハッハ(笑)」坂上田村麻呂「最強の金棒だとっ!!」大嶽丸「そうだ、鬼に金棒ってやつだグァハッハッハ(笑)」


坂上田村麻呂の肩を掴むタケル、もう片方の手はまだ脇腹を押さえている。苦しそうな声でタケルは言う。タケル「きっ危険だ!今のあいつは昔とは違う…あの金棒は十拳剣で切れなっグァッ…」その場にタケルは倒れ込んだ。田村麻呂は抱きかかえるように少しはなれた安全な場所に寝かせた。


田村麻呂は戦国時代さながらの鎧を着ていた。兜までかぶっていた。タケルとは対照的にも見える。タケルの方は清楚な白い衣装に身を包まれている。上着の方はロングで垂れ下がるようにズボンをところどころ隠している。


タケルを端っこに置いた田村麻呂は振り返り大嶽丸の方へ進んでいく。


坂上田村麻呂「貴様だけは許さぬぞ!下道!」大嶽丸「カッカッカッ(笑)傑作だな田村麻呂!不味そうだけど喰ってやるグァハッハッハ」







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