第4話 

サウンドがデジタルテレビから流れだす。「チャラララリーラリィ」CMが終わると伊勢テレビのマークが映り終わり画面からアナウンサーが話しだした。

宮崎アナ「剣持さん、剣持さん、聞こえますか!?」伊勢テレビの名物中年男性アナウンサーの宮崎は話しかけた。

剣持リポーター「はい、こちら現場の剣持です!」

中継先へと画面が切り替わる。剣持は中堅男性リポーターである。宮崎アナ「現場どういった状況でしょうか?」剣持「はい!事件は2時間前に発覚したばかりで、私くし一同は現場に踏み込むことは出来ていません!ですが警察車両が時間ごとに増しておりまして、非常に緊迫したじょっ、んっ、あっ!たった今、倉科刑事、倉科刑事が玄関から出て来ました!」宮崎アナ「接触できますかっ!?」剣持リポーター「倉科刑事!倉科刑事!」倉科「なんだっ!」剣持リポーター「どういった状況でしょうか!?」

倉科「マスコミ説明はまだだ!!」倉科は際立った表情で刑事用紺のクラウンに乗りそそくさと立ち去っていった。


倉科が出た数分後にパトカーがやってきた。後部座席からベージュのコートを羽織った男が降りてきた。川下「すごいマスコミの量だな(笑)」カメラのシャッターを押すカシャッパシャというシャッター音が無数に散らばっている。川下は車から降りるとマスコミを避けそそくさに玄関に入っていった。ガラガラガラ自動ドアが開いた。

旅館店主「川下さんお待ちしておりました。」川下「鳥羽ちゃん久しぶり!」旅館店主「お久しぶりです。ささ、皆様待ち構えておりますので。」伊勢警察では年間の行事でも利用している老舗旅館サンセット伊勢は馴染み中の馴染みであり、川下は旅館店主を鳥羽ちゃん呼ばわりするほどの常連である。

川下は2階の事件現場へと向かう、エレベーターの前で敬礼をする警官、川下「お疲っ」地元警官「川下警部ご苦労様です!」


川下は現場に向かう途中妙な感覚に襲われていた。川下(なんなんだこの異様な空気は、、この事件嫌な予感がするな、)川下は50歳を過ぎたベテラン警部である。数々の事件を見てきた彼ならではの勘ともいえる。


2階に上がると扉のあいた部屋に立ち入り禁止のテープやコーンがあり、ひと目で現場がわかった。中に入るなり、地元警官芝井「川下警部!」川下「お疲っ!倉科さんは?」芝井「たったさっき、帰られました。」川下「帰った?、そうか、そんで状況説明してくれ」芝井「はい、女性の方は心肺停止してもう帰りません、ですが男性の方は重症ではあるが、一命を取り留めているみたいで、現在の所病室で意識は戻っていません。」川下「そうか、凶器は見つかったか?」芝井「いえ、見つかっていません。」川下「刺し傷は何箇所ある?」芝井「女性は4箇所男性は3箇所あります。」川下「チッ!殺人鬼め」川下は思わず下打ちをした。川下(この事件だけだな、他の2件の殺人は女性のみ、この事件だけ、男性がいるか、、匂う嫌な匂いがプンプンする)

川下は最近起きた2件の殺人犯も追っていた。川下「どう思う?2件の殺人と関連していると思うか?」芝井「わっわかりませんっ!」川下「そうか、」川下はなにか考察している表情で渋い声を出した。


川下「なにか出たか?」芝井「部屋から何故か蛇の抜け殻の鱗の破片が落ちていました。」川下「なにっ!?どこに落ちていた。」芝井「2つあるベッドのこちら側の下の床に落ちていました。」川下「争った時に落ちたのか?念の為旅館側に蛇を飼っていないか、持ち込みはないかも聴き込んでくれ。」芝井「はい。」川下(なぜこんなところに蛇の鱗が、、)川下は少し考えながら、周りを見渡している。他の地元警官7人も指紋取りや毛髪採取などやれることを徹底していた。







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