第5話 

2022年4月27日、老舗旅館サンセット伊勢でおきた事件のその日、伊勢市内は薄暗い空に覆われていた。地上付近にも薄暗い霧がかった天気に包まれていた。伊勢にしては珍しい天気であった。



話の続きは事件発覚から4時間後に至る、、、金丸「仁科くん、仁科くん行こうよ、、」仁科「いやぁ、今日はやめたほうが、、」金丸「せっかく伊勢に来たんだから、ね。」仁科「確かにそうですね。」2人は3日目に予定していたスケジュールを行う事にした。警察のアリバイ捜査も終わった2人は、夫婦岩のある二見興玉神社を目指した。


サンセット伊勢から二見興玉神社へ直通の小型バスに乗った2人、少し走った所で金丸が仁科に話しかけた。


金丸「仁科くんも早く結婚しなよ!」


仁科「先生も早く過去は忘れたほうがいいじゃないですか?」売り言葉に買い言葉とはこの事と言わんばかりで仁科は返した。思わず作者の私も笑ってしまいました。(笑)


仁科「先生たちは子供さんもいらっしゃられなかったんですよね?」金丸「うん」仁科「なら天国の奥様もきっと、」キィッ!キキィィィ!、金丸「あっ!危ない!!」仁科が話している途中だった、突然運転手はハンドルを急旋回した!?バスは道路の二車線の真ん中辺りで斜めに停車している。運転手「なんだ、猫かっ!?」運転手は金丸と仁科に謝った後、目的地の二見興玉神社に向かった。


二見興玉神社に到着した2人は運転手に手を振り神社の入口へと向かった。

海に面している神社とは珍しいものだなと思いながら歩いている金丸はその景色に見とれていた。金丸「もうすぐ見えてくる筈だよ。仁科くん。」仁科「夫婦岩ですか?」金丸「うん、富士山が見えたら縁起がいいらしいね。」金丸は事前に調べておいた情報を後輩に教えているつもりで話している。仁科「富士山ですか。」仁科はその金丸の心中を察していてあえて合わせ言葉をしていた。

金丸「ごめん、トイレ」仁科「え?待ってますね」金丸「ごめん、ごめん」


金丸は神社にありがちなコンクリート打放しのトイレで立ちながら用を済ましていた。

もうすぐ終わる瞬間だった。金丸はふいに窓の方を見た。金丸「え!!」金丸は慌てながら目をこする。何度こすっても白い親狐が窓にお座りしてこっちを見ている。

金丸「あれっ!?」金丸が話しかけた瞬間白い親狐は窓からピョイッと降りて林のほうに走っていく、金丸はズボンを直しながら窓からころげそうになりながら追いかける。

金丸「足早いな、あの狐…」50歳を過ぎた金丸が遅いのである。金丸は仁科をも忘れていた。


しばらく走っていると、またあの神格な井戸にたどり着いた。

金丸(なんで、伊勢神宮にあった井戸がここにあるんだ?)狐仮面の女の子「バァ!」金丸「ウワァッ!なんだよぉ」狐仮面の女の子は神格な井戸の真後ろにかがみながら隠れていて、金丸が来た瞬間顔を出した。その姿には幼子の愛らしさもある。


すると、狐仮面の女の子の背後の10メートルはある木の5メートル辺りの枝に若き青年がぶら下がっている、

まるでブランコにぶら下がっているように。しかもその青年は段々こっちに近づいてきている。金丸「えっ!!?えー!浮いてんじゃん?!」金丸の目は点になってる。

青年は木から階段を降りるように空中を歩いている。青年が歩くたびに足に波紋が現れたり消えたりしている。まるで海を歩いているように波打つ青白い波紋が見える。


狐仮面の女の子は振り返る。狐仮面の女の子「お兄ちゃん!いたの?」青年はゆっくり地上に降りてきて、狐仮面の女の子の頭を撫でるように触って「いたよ」と微笑む。


ヤマトタケル「金丸さん、妹を見つけて下さってありがとうございます。ミコも喜んでいました。」


金丸「えっ!!あっ!はい。」金丸はその青年の神々しさに見とれていた。青年は透き通るような白い肌に、綺麗すぎる瞳、髪は女性のような艶があり、男性なのにロングの髪の毛が似合い過ぎている。




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