第3話 

金丸は眠っていた。

仁科と2人で伊勢神宮とおかげ横丁を歩きまわりヘトヘトになった後2人は旅館に戻り、温泉につかり、おもてなしされた豪華な夕食を頂き、少し雑談でもしながら布団に入った。


金丸は夢の中にいた。

真っ暗な闇の中に仁科が浮きながら歩いている。まるで何もなく暗闇しかない宇宙空間を歩いているように、金丸「仁科、仁科、そっちじゃない、行くなっ、行くな仁科っ!!」金丸は悪夢にうなされるように叫んだ、布団をかきあげ金丸は起き上がる、額には少し汗をかいでいた。金丸「ハァハァ、なんだ夢か、、」金丸は隣で眠る仁科を見て更に安心した。


朝になり金丸は新聞を見ながら朝食をとっていた。新聞には伊勢新聞と書いてある。金丸「物騒だなぁ、、」金丸は呟いた。仁科「何がですか先生?」金丸「いや伊勢市内で2件の殺人が立て続けに起きたらしいよ」仁科「そりゃ物騒ですね、」金丸は少し暗いのでカーテンを全部開けた。

金丸「それは、そうとなんでパトカーがあんなにいるんだ」玄関には唐突に止められた3台の回転灯のついたパトカーが止まっていた。金丸「まさか犯人がいるのかぃ」金丸は少し冗談ぽく言ってみせた。

コンコンと金丸と仁科の部屋を叩く音がする。すると旅館の店主がものすごく心配そうな顔で詰め寄り、旅館の店主「お二人は大丈夫でしたでしょうか?」と聞く、金丸「なにかあったんですか?」金丸は旅館店主の血の気の引いた顔を見て逆に驚いている。旅館店主の後ろからひときわ凛々しい顔立ちの男性がツカツカ歩いて来た。

金丸「あれっきっ君は!?」倉科「昨日はどうも」仁科「くっ倉科じゃないか!?」倉科「仁科、金丸さんも無事で良かった。」警官「倉科刑事、倉科刑事こっちの部屋です!」地元の警官であろう警官が、東京警視庁の剛腕刑事の倉科を呼んでいる。

倉科「まさか休みの日まで事件があるなんてなっ」倉科は少しはにかみながら金丸と仁科に呟きながら隣の隣の部屋に歩いていく。警視庁総本部は伊勢にいる日本の刑事のトップレベルにいる倉科にすぐにヘルプの連絡をしていた。

金丸「隣の隣の部屋って私たちが旅館に到着した後に来た夫婦の部屋だね。」仁科「ええ」旅館店主「そっそうです。非常に中の良い夫婦でしたよ」旅館マネージャーが血の気の引いた顔で走って来て旅館店主に向かって。旅館マネージャー「マスコミも来てます。」旅館店主「そうか、不味いことになったな」サンセット伊勢は伊勢の中でもブランド化された高級老舗旅館、そんな老舗旅館の不祥事はマスコミはほっとかない。

金丸「一体何があったのですか?」旅館店主「殺人です。」旅館マネージャー「困りましたね。」すると後ろから女将も駆けつけていたらしく、女将「私が朝食の準備が出来た事を報告しにいくと2人は血だらけで倒れていました。私は慌ててすぐに旅館店主と旅館マネージャーに報告して警察を呼びました。」


老舗旅館は朝から異様な空気に包まれていた。倉科は大声で指揮をとっている。倉科「この部屋の隅々まで調べろ、そして、旅館全員のアリバイを洗え、まずは一人ひとり聞き込みにまわれ、外部の人間は1人も旅館に入れるな!」地元警官7人「はい!!」



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