第7話 勇者になれなかったおやぢ

 中年おやぢの周りに群がるのは数億のモンスター。

 しかし、おやぢは怯まない。


「おやおや。

 私如きに、こんな大勢……」


「怯むな!

 このおやぢを殺すだけで、ベルゼブブさまから報酬を得ることが出来るぞ!」


 モンスター軍の将校がそういった。


「狙えば必中」


「あれを打たせるな!

 打たせれば――」


 おやぢが変な体制で身体をうならせる。

 すると数億いたモンスター軍の1/4が消える。


「怯むな弓兵、銃撃兵!遠距離から――」


「当たれば確殺」


 するとモンスター軍たちが次々と消滅していく。


「ああああああああ」


 モンスター軍の将校が絶叫する。


「おぢやビンゴビーム」


 おやぢが、ニッコリと微笑むと。

 全てのモンスター軍が灰となった。


「物足りないですぞ!」


おやぢはそういってため息を吐いた。


それは日常。

それが日常。


最初はちっぽけなおやぢだった。

でも今では最強クラスのおやぢになった。


それは現実。

それが現実。


最強クラスでもベルゼブブには勝てない。

モトフミにも勝てない。


最悪の魔王と最古の神が手を組んだ。


それは人類滅亡までのカウントダウンなのだ。

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