第5話 スキルポイント
「スキルポイントがないからではないかな」
2人で分からずアイシャのカードとにらめっこしているところに司祭が来て「恐らくは──」と教えてくれる。
「スキルポイント?」
アイシャ自身が転生前にそういうものに触れていれば飲み込みも早かったかも知れないが、それは親の方針というやつで無縁のものであったから実のところカードに記されている内容も全く分かっていない。お昼寝士という謎の適性に歓喜していただけだ。
「普通、生きていればその行いでいくらかのスキルポイントが貯まっていて、最初の1つは大抵誰だってあるものなんだが……」
なにいってんだこいつとばかりに頭を傾げるアイシャを見て(お昼寝ばかりしていたからアホの子になったのかも知れない)などと思う司祭だが、この子も神に祝福された子だと自身に言い聞かせて言葉を続ける。
「たまにこういうスキルツリーの子どもがいるのは確かだよ。その場合スキルポイントを捧げればちゃんとスキルが生えてくるものだよ」
「捧げる?」
知力Eのアホの子はなおも首を傾げたままだ。そのうち折れてしまうのではと不安になる。
「自身の持ち物などを対価にして得られるものだよ。まあ作られたものより魔物を捧げるのが一般的だけれどね」
「魔物って?」
サヤもアイシャの首がもげてしまわないか不安になりながら(このアホの子はそれすらも知らないのかな?)なんて友だちとしてあるまじき事を考えてしまう。
「この世界に棲む動物とは違う魔力を取り込んだ生き物で人類の脅威とされる生き物だよ」
「あ、それは知ってる。魔物を捧げるって?」
アホの子は言葉も足りない。
「死んだ魔物に手を当てて『捧げる』とひとこと告げることで、ギルドカードにポイントが貯まるんだよ」
司祭は眉間を指でもみほぐしながら、この子は結局聖堂でのその辺の説明をすっぽかしてお昼寝を始めたんだったと思い直して教える。
「つまり魔物を狩ればさらなるお昼寝ワールドが……」
「結局寝ちゃうんだ……」
サヤは魔物狩りの先にアイシャが求めるものに呆れてしまった。
─あとがき─
スキルツリー。色々あるシステムのうち自由度がーとかって宣伝してるあれですね。
わたしは結局貯めて貯めて全部取ったりしちゃうのですが。
寄り道をやめて決めた方向だけに進めれば何かしらに特化したキャラが出来上がったりするのですよね。
この物語で出してはいますが、その詳細までは書く事はないでしょう。書いたとしてきっとそれを取るためにあれをしてこれをして、とったぜってやるだけですから。
こんなの手に入れました。なになにの結果手に入れました。便利ぃー。くらいのシステムです。
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