第4話 進路①
俺はどうしようかと、非常に悩んだ。
そもそもペットの亀がいきなり盾になるなどおかしい。
ちなみに盾の見た目は、真ん中に亀の顔が思いっきり出ており、後はよく見る亀の甲羅がそのまま盾になっているような感じだ。
ちなみに俺の見た目は、黒髪短髪に若干茶色がかった黒目、身長は170程で、顔は……まあ中の上位だ。
まあなんの捻りも無い普通の中学三年生と分かって貰えたと思う。
散々悩んだ結果、ギルドの無料サービスの一つである『鑑定』に盾を出す事にした。
ペット(?)をいきなり見ず知らずの大人に預けて弄くり回して貰うと言うのは嫌だが、俺には学生として登校する義務がある。
それに、俺は迷宮や剣に関して、親父に多少教えて貰ったにしろ素人だ。
ならばギルドと言うプロにこの盾がどの様な物なのかを教えてもらい、メリットデメリットを聞いてから判断するのが一番だと考えた。
ちなみに盾を受け取ったギルドカウンターのお姉さんは、『何故盾……?』と今にも言い出しそうな顔をしていた。
いざ学校に登校すると、友達に声を掛けられる。
「よう! 太一! 今日も相変わらず可も無く不可も無く見たいな顔してんな!」
いきなり俺の顔をイジって来るコイツの名前は、
俺とそんなに外見は変わらないが、一つ言えるとしたら……物凄くイケメンである。
当然同級生に限らず、後輩にもモテモテな彼が俺に絡んでくる理由は……。
「それよりこれを見てくれ太一! 昨日公開された映画の特典として配布されたイラストなんだがな……コイツ原作愛しすぎだろって位素晴らしいんだ! ストーリーも良くてな! お前原作勢だからストーリー知ってるしネタバレトークするけどよ、序盤から凄くて……」
オタ友である。
一応俺もオタクで、中学初日、ハ○ヒ風の自己紹介をして唯一「あれか!」と反応してくれた頃から、ずっと仲が良い。
そしてもう一人、俺には友達が居る。
「ちょっと正樹、いつまで語ってんのよ、私アニメ勢だからまだそこ見てないんだけど!」
「……なん……だと?」
「いや謝れ」
正樹のオタトークを静止したその人物こそ、数少ない友達のもう一人。
同じくオタ友の
黒髪ロングの、黒味の薄い茶色い目、そひて……とんでもない美少女。
正樹と並ぶモテモテ度で、この中学校のマドンナとまでの呼ばれている。
ちなみに学校内で俺達三人は、美女と美男とおまけ1と呼ばれている。
俺の扱いだけ酷い。
三人揃って暫くオタトークをしていると、学級委員の
園部は、顔は普通で、俺とあまり変わらない外見なにも関わらず、何故か学級委員をやっている。
その理由は、ずばり彼のリーダーシップの強さだろう。
事実、この3-1は、あらゆる行事に置いて優勝や高い評価を受けている。
その為、普通の中学生であるにも関わらず、クラスの大半の支持を集めているのだ。
その園部が呼びかけた事により、全員が行儀良く席に座る。
暫くしてチャイムが鳴ると、先生が入って来る。
「お、綺麗に着席できているね、園部君のお陰かな」
先生がそう言うと、園部が「え、俺?」見たいな反応をするので、クラスに笑いが起きる。
そしてその笑いが鎮まるのを確認すると、先生は真剣な顔をして、黒板に進路と書き、教卓に手を置く。
「さて、みんなもわかっている通り、そろそろ進路を決めて行かなければ行けない。中学校を卒業した後、君達は義務教育を抜け、自分自身で進む道を決めていく必要が有る。言わば、人生のターニングポイントと言う事だ。だからこそ、私はきちんと考えて欲しい、当然就職と言う手もありだろう、だがしかし、その選択をする前に、よく親御さんと相談して、決断を出して欲しい。……さて、それを踏まえて今日は進路学習を行う、皆手元に用意して貰ったPCで、行きたい高校などを調べて欲しい」
先生が話し合えると、クラスメイト達は一斉にPCを開き、進路学習に取り組み始めた。
30分後、皆がある程度方針が決まった中、俺はあるページを見てずっと悩み続けていた。
『冒険者育成学校』、その高校のページを。
俺が真剣に悩んでいるのを見て、それに気づいた先生が、俺に「放課後職員室に来なさい」と言った。
俺は盾の鑑定結果を見ると言う予定があったが、2、30分位ならいいだろうと、それを了承した。
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