上級悪魔との戦い

「何で学校に上級悪魔がいるの?」

 上級悪魔というのはかなり危険な存在であり。少なくとも学校にそんなポンポン出て来るような存在ではない。にもかかわらず現れたことに対して白木から驚きと恐怖の声が上がる。


「皆様大丈夫ですか?今助けますね。神よ・敬愛すべき神よ・悪魔を閉じ込める結界をはりたまえ・封魔結界」

 封魔結界、それは魔を封印する結界。術者の力量に非常に大きく左右される結界であり、教皇に至ってはあの厄災級悪魔すら封じ込めることが可能な結界。

 ただ、もちろんそれはあくまで最強である教皇だから可能な技。普通の聖職者であれば、精々下級悪魔を閉じ込められるのが良い所である。

 つまり上級悪魔を閉じ込める結界となればかなりの力量が要求されるということなのだ。


「封魔結界?まさかマリアンヌさんは聖職者ですか?それも司祭クラス以上の」

 丁度昨日、自分にはもっと知識が必要だと思い正教会について調べていた白木はそう結論を出し驚きの声をあげる。


「はい。そうです。私は正教会所属の聖職者ですよ。そして今私に与えられている役職は見習い聖女です」

 見習い聖女、それは聖女になれる可能性を持った者に与えられる称号。一応見習い候補に選ばれるためにもそれなりの実力が必要であるし、一定以上の地位を持った司祭ら複数人からの推薦状が必要であったり。

 その人柄、性格、生まれ、人望、実力、信仰心、容姿、処女膜の有無、まあその他様々な項目をクリアしてようやく聖女見習いになれる。

 そして見事、聖女になれば正教会内ではそれこそ絶対的なといってもいい程の権力を手にすることが出来る。

 つまり物凄く分かりや使用に簡単に言えば見習い聖女とはそこそこ凄くて偉いのだ。


「見習い聖女、それってかなり上の地位じゃないですか」

「はい。そうですね。あ、それよりも上級悪魔を倒すの手伝ってください、中級陰陽師の白木さん」

 なんてことないように可愛らしい笑顔のマリアンヌ、対称に自分の正体を当てられて驚きと恐怖の顔を浮かべる白木。


「何故それを知ってるの、いや、違う。私の事を調べたのね」

「いいえ調べてはいません。見たら分かりますよ。それよりも早く上級悪魔を倒さなくて大丈夫なんですか?私の結界もそんなに長くは持ちませんよ」

 調べてないというマリアンヌの言葉に白木は少し怪しみつつも、今はそれどころではない判断をする。


「確かにそうだね。勇気君上級悪魔を倒すの手伝って」

「あ。ああ。分かった。えっと俺は何をすればいいのだ。というか俺は何だ。俺は何でこんな所にいる。わあああああ。何だこの化け物は」

 勇気がいきなり頭を抱えだし、喚きだす。


「この状況、まさか、陰陽技・術式簡略・悪魔鑑定。・・・あ、あの上級悪魔、記憶戻しの能力を持ってるわ。つまり勇気君はそれにかかって、悪魔というの存在を知る前に記憶を戻されてしまっているわ。やられたわ」

「白木さん、時間稼げますか。10分いえ5分いただければ私の祈りで勇気様の記憶を元に戻せます」

「5分ね、いいわ。頑張って稼いで見せるわ」


「ぐがああああああああああああああああ」

 上級悪魔が発狂しながら白木に襲いかかる。


「破道・霊術式・1式・霊弾」

 放たれた霊弾は悪魔を少し後退させるだけでほとんど効果はなかった。


「ぐが?ぐがぐが?お前、邪魔、殺す」

 血走った眼でマリアンヌの狙いをつける悪魔。その様相は常人ならば気絶する程恐ろしい姿であった。

 しかしマリアンヌはむしろ悪魔を睨みつける。


「やれるものならやってみなさい。滅道・霊術式・7式・拘束滅」

 地面から縄のようなものが生えて悪魔を拘束する。


「ささささささ。痛い。痛い。あああああ」


 パキン

 悪魔が力を入れただけでマリアンヌの放った拘束は簡単に破壊される。

 上級悪魔と今のマリアンヌには子供と大人程能力に差があったということだ。


「壊せた。壊せた。さあ、次は、お前を、壊す」

 上級悪魔の目からビームが飛び出る。


「守護道・霊術式・1式・盾」


 パリン


 慌てて防御しようと盾を張るも、簡単に割られてしまう。そして上級悪魔の出したビームは一切減速せずに白木に向かって伸びた。

 マリアンヌは当たる、そう思った瞬間だった。

 猫子が手からビームのようなものを出して上級悪魔のビームに当てて消滅させる。


「猫子さん。今のは一体?」

「詳しくは説明できないけど、貴方に死なれたら目覚めが悪いの。だから手助けをした。勘違いしないでよね」

「そう、ありがとね。助かったわ。一応礼を言っておくわ」

「どうも、ほら。それよりも上級悪魔から目を放して大丈夫」


 グシャ


 上級悪魔の腕が白木に当たる。

 慌ててガードしたが左腕が折れる。


「痛い。でもこの程度の怪我なら大丈夫だ。守護道・霊術式・7式・損傷回復」

「なるほど。損傷部分を回復させたのね。攻撃はイマイチだけど守護系統は悪くないじゃない。流石だね」

「まあね。これでも陰陽師の端くれこれくらいは出来るわよ。滅道・霊術式・1式・霊滅弾」

 上級悪魔の腕に当たり腕が滅せられる、ようは溶けるようにして消えたのだ。


「あああああ。あああああ」

 上級悪魔がそう耳のつんざくような唸り声を上げると腕が瞬時に再生する。


「そんな簡単の腕を再生するなんて、やっぱり私には」

「何諦めてるのよ、諦めなければまだ希望はあるでしょうが」

「猫子さん。猫子さんって思ったよりも優しい人なんですね」

「ちょっと、急に何よ。それじゃあ、今までの私は優しい人じゃないって言い方じゃない」

「ハハハ。正直に言えば今までは勇気を狙う泥棒猫だと思ってました」

「泥棒猫ってアンタ。でもアレだね。白木さんって思った以上に話しやすい人だったね。今までは高嶺の花ってイメージがあったよ」

「白木さんじゃなくて。香でいいですよ、猫子さん」

「じゃあ。こっちも猫子さんじゃなくて、普通に猫子でいいよ」


「ンフフ」

「ハハハ」


「何か思った以上に仲良くなれそうですね私達」

「そうかもね。さてと、じゃあ香。今から起きることは勇気には秘密にして欲しいの」

「どうしたんですか急に、まあいいですけど」


 バシュ


 その瞬間、上級悪魔の頭が弾け飛んだ。


 ――――――――――――――――

 やっぱり勇気の為にもハーレムメンバーは全員仲良くする必要があるなって思います。

 ハーレムを築く上で私が必要だと思うのはハーレムに加入している女性メンバーが仲が良いか悪いかです。

 やっぱりハーレムメンバーの仲が悪いと地獄なんでね。

 今作ではハーレムメンバーは全員仲良しになるように定期的にテコ入れをします。


 以上。


 ハーレムメンバーが全員仲良しって考えに賛成な人は星やハートを入れて頂けると嬉しい限りです。

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