お昼、それは猫子の独壇場である
そんなこんなで午前の授業が終わり昼休みとなった。
「弁当持ってきましたわよ。勇気さん」
「お、いつもありがとうね。猫子」
「いえいえ、私が好きで作っていますし、それに勇気さんが喜んで食べて来れるのは本当に嬉しいですし」
「そうか。じゃあ今日も美味しくいただくよ」
「はい。いただいてください」
そんなこんなでいつもの様に越田が椅子をセットして、勇気と猫子は二人で幸せな空間を作り始める。
相も変わらず砂糖を吐きそうになる空間だけど、越田含め、白木さんファンクラブはこの光景に凄くご満悦だ。
なんかもう相変わらず過ぎるな。
そうして二人は凄く幸せそうにご飯を食べている。
一応、白木さんもマリアンヌさんも勇気のすぐ近くでご飯を取っているが、やっぱりお弁当を手作りして渡しているという猫子の優位性は崩れない。
「うん。美味しいよ」
勇気がそれはもう幸せそうに猫子にお礼を言う。
一切の冗談抜きで付き合いたてのカップルにしか見えない。やっぱり猫子は凄いななんて思いながら。完璧に猫子が主導権を握っての昼飯が終わったかに見えた、しかし違った。
「あのう。勇気君。昨日私クッキーを作ってきたんです。一緒に食べませんか。あ、もちろん猫子さんもマリアンヌさんも一緒にどうですか?」
まさかのここで白木さんがカウンターを仕掛けて来た、お弁当は猫子が作っているからと、おやつにクッキーという、何とも可愛らしいカウンターを。
しかもパっと見た感じクッキーはガッツリ、ハートと勇気を意識しまくっている。
「ありがとう。白木、じゃあいただこうかな。あ、美味しい。凄く美味しいよ」
クッキーを頬張って美味しそうにして食べる勇気。
そんでもって人を殺せるレベルの殺意の波動を纏っている越田含む白木さんファンクラブ。
しかしながら、勇気に褒められて嬉しそうな白木さんの表情を見て何とも言えない。複雑な顔をする越田含む白木さんファンクラブ達、いやマジで相変わらず過ぎるわ。
「ほら、猫子さんもマリアンヌさんもどうぞ」
ライバルである二人にもおそらく勇気がいる手前優しさを見せる白木さん、いや、普通に善意でクッキーあげてるだけかもやけど。流石に白木さんそこまで腹黒くないか。それやったら黒木さんになるしな。って我ながらおかしなこと言ってんな。
「じゃあありがたく」「では私も」
一瞬躊躇いつつも二人共がクッキーを手に取って食べる。
「美味しいです」「確かに美味しいですね。では私も今度デザート作ってきます」「じゃあ。私も作ってきます」
うん。何だろう。思った以上にあの三人相性がいいのか。
勇気という一人の男を取り合う仲だけど、何か思ったよりも上手くやってんな。これは本当に全員納得する系のハーレムエンドあるかもな?凄いぞ勇気。目指せ勇気ハーレムマスターに。いや俺何を言ってるのだか。
そうして昼休みが終わり午後の授業も終わり放課後となった。
放課後。先生からの指示で何故か勇気が名指しされてマリアンヌさんに学校紹介をすることとなった。なおご都合主義結界があるので誰もそれに疑問をもっていない。
ただもちろんご都合主義結界があるとはいえ。マリアンヌさんと勇気の二人っきりの放課後というエロゲ主人公だったらイベントの一つや二つや18禁映像が普通に流れそうなので、白木さんに猫子がそれを許すわけもなくしっかりとついていた。まあ、正確に言えば猫子の方は俺がついて行けと命令を下したわけだが、聞いたら命令されずとも行ってたって言われたわ。それはそうだな。
かくして勇気は美少女3人と一緒に放課後学校を回るという、それなんてエロゲってイベントをこなすことになりましたとさ。
そこでいくつものTolavるに遭遇し、ラッキースケベをそれはもう連発して俺とイトに(勝手に覗いてる)エロゲ主人公っぷりをそれはもう存分に見せつけましたとさ。
めでたしめでたしってのは俺の真っ赤な嘘、妄想で、正直そういう展開なるかな?という淡い期待と猫子と勇気を接近させる為にご都合主義結界と俺の方でちょちょいっと仕掛けをしてわざとエロトラブルを起こそうとしてたら、なんかいきなり学校紹介の途中、上級悪魔が現れた。
敢えてもう一度言おう。
エロトラブル起こそうと俺が色々と考えていたら上級悪魔が現れた。
うん。俺はマジで何もしてないぞ。
やっぱり勇気はラノベ主人公ですね。展開には困りませんね。いやはやいやはや。よもやよもやですよ。本当に。
これ、絶対裏で何処かの組織動いてそうだから、面倒事回避ないし大事になる前に俺が裏から手を回さんといけんやん。
まあ、それはそうれで楽しそうだからいいけど。
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