どうして好きになったのか?

 昼休みとなり昨日の様に猫子が教室に来る。 


「勇気さん。お弁当を食べましょう?」

 上目遣いで攻めていく猫子。相変わらずあざといな。いや本当に上目遣いって強いな。マジで本気で。


「ああ。そうだな」

 そんで越田が椅子と机を用意してくっつける。もう完璧に越田の猫子アシストが凄い。それはそうだという話だけどね。

 しっかしあれだなこの輪に白木さんは入りにくいだろうな。猫子が弁当を作ってくるという強すぎるポジを確保してしまったしな。


「勇気君。私も一緒にいいかな?」

 おっと、白木さんいったああああああ。ああああああ。マジかよ凄いな、よく行けたな。メンタルダイヤモンドかよ。


「ああ。いいよ」

 そんなわけで三人で弁当を食べ始める。


 うわ。うわうわうわ。

 地獄だよ。

 いや天国かもしれんが、まあ、男子は殺意に満ち溢れ女子は好奇心に満ち溢れている状態だな。まあ、一部女子もとい勇気に対して片思い中だった女子は殺意を抱いてるけど。

 何だかんだで勇気は控えめに言って頭がおかしいって言葉が似合うくらいの完璧超人でそれに伴って女子人気も凄いからな。めちゃくちゃモテるからな。普通に勇気ファンクラブあるからな。他校の生徒も参加してるからな。

 そう考えると勇気は凄いな。

 それを言い出したら白木さんだってめちゃくちゃ男子人気あってモテてる上にファンクラブもあるが、そう考えると勇気と白木さんってお似合いだな。いやまあ俺としては猫子に勝ってほしいのだがな。そっちの方が楽だし。


 まあ、そんなこんなで勇気は二人のラブラブオーラに押されながら、二人からあ~ん、されてあ~んでお弁当を食べてやがる。

 何だこれ、甘すぎるやろ。口から砂糖出てきそう。いや出ないけどさ。まあ陰陽術とか使えば出せないこともないけど。因みに白木さんが勇気にあ~んをする光景を見て越田はなんかもう死んでる。

 ぶっちゃけいつものことなので放置だ。強く生きろ越田。


 にしても凄いな白木さんも猫子もマジで勇気に対しての手を緩めないな。絶対に互いに勇気は譲らないっている強い意志が見えるぞ。

 しっかし、このままでは互角だな。どうなる?

 この弁当バトルはこのまま幕を閉じて放課後のバトルに移行するのか。


「なあ。二人は俺にいつ惚れたんだ?」

 うわ、勇気が仕掛けた。というかとんでもない爆弾発言しやがった。


 お前、イケメンで運動神経よくて、勉強出来て性格の良いお前が言うか?そのセリフ?馬鹿野郎。馬鹿野郎馬鹿野郎。でも、待てよ、猫子は俺に命令されて勇気に迫ている、白木さんも勇気の力に目を付けたから勇気に迫っている。

 これは、意外と言い質問何ではないか。


 まあ、外野の男子と女子からは死ぬほどヘイト買ったけど。


「勇気さん。数か月前私が強引なナンパに困っている時に助けてくれたの覚えていますか?」

 猫子がそんな事を言い出す。


 え?マジで勇気お前俺が知らないところでそんなカッコいいラノベ主人公みたいなことをしたのかよ。凄いな。もうお前マジで凄いよ。これからラノベ主人公って呼ぼうか?いや面倒やから呼ばんけど。いや呼ぶかもしれないな。それくらい凄いよ勇気。

 ほんで猫子よ。そんな大事なことは先に報告しろよって、いや。今更か。


「ああ。あの時か」


「はい。あの時です。その時私の胸は打ち抜かれました。でも中々勇気さんに声を掛けれずにこの恋心はずっとくすぶってました。でも私は自分の心に正直になろうと決めました。だから。勇気さん。貴方のことが好きです。心の底から大好きです」

 豪快に告白を決める猫子。くそ。強いな猫子。ヤバいよこれは強い。さあ白木さんはどう出る。


「私は、あのう、校舎裏でその・・・」

 白木さんはそう言って顔を赤くして口ごもった。


 ああ。なるほどね。理由に悪魔に襲われていたのを助けて貰ったからってのを出そうとしたのか。

 で、今このクラスメート全員が聞き耳を立てている状況でそんな悪魔がどうとか言ったら不味いんで。言えなくなって口ごもったのか。

 で、恋愛は知らんが。まあ普通のことには勘のいい勇気なんでそれにすぐ気が付く。


「ああ。あの時か」

「はい。あの時です」

 二人で通じ合い始める。これは中々に強いな。


 周りの男子も女子もそれが何なのか気になりはするけど。二人の作り出している世界が余りにも強すぎて質問できないな。これは。というか皆質問しても答えが返ってこないと分かってるし。


 ああ。思ったよりも白木さん強いな。猫子が圧倒的に優位だと思ってたけど。これは分からなくなってきたぞ。


「そうか。ありがとう答えてくれて」

 勇気がそう言う。まあそう言うしかないわな。


「はい。どういたしまして。じゃあ、あ~ん」

 猫子が可愛い笑顔でそう言った後、あ~ん再開する。行動が早いな猫子。


「あ、じゃあ私も。あ~ん」

 おっと、白木さんもあ~んをしていく。


 うわ。何だろう。うん勇気に対して殺意しか湧いてこない。まあ俺は意外とそこまでだが。他の男子の殺意ゲージはMAXを超えてリミットブレイクしているよ。越田とか頭の血管張り切れないか心配だよ。

 このままじゃあ、越田とか一切の冗談抜きで勇気を殴りそうだし。少し男子全員の殺意を怠惰にさせるか。


 殺意怠惰っと。


 よし、これでいいかな。

 さて、今日はまあ多分これ以上の進展はなさそうだし、イトが作ってくれた昼飯を食べますか。


 そうして俺は昼飯を食べて、食べ終わる。そっから越田と仲良くゲームの話をして昼休みを過ごした。まあ、途中から越田の愚痴に変わったけど。それはご愛嬌って奴だ。


 ――――――――――――


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