外伝・白木 香は告白する
白木 香サイド
お父様に言われた通りに勇気君の力を目覚めさせるために二人っきになった後に悪魔を呼び出そうとしたけれども私の言葉に誤解が生まれて何故か告白ということになってしまった。その結果ギャラリーがたくさん私たちの元に集まってしまった。
こんなに人がいたんじゃ、悪魔を呼びだせない。そう思い、私は焦ったけど勇気君が「お前ら、コソコソと隠れて見るな、白木さんは俺に二人きりで話がしたいといった。それを破るような真似をさせるな」ってかっこよく言ってくれたおかげで、二人っきりになれた。
そう言った勇気君の姿はとてもカッコよかった。
二人っきりになった後。緊張しながらも陰陽師の事、悪魔のこと。そして勇気君の力について、私の知っていることを全部話した。勇気君は私の言葉を真剣に聞いてくれた。半信半疑に思いつつも信じてくれた。
そして私は勇気君に証拠を見せる為に勇気君を覚醒させるために。お父様から貰ったビー玉をたたき割った。
その瞬間現れたのは上級悪魔だった。
私は上級悪魔という今の私の力では絶対に勝てない化け物を前にしてお父様話が違うと思うと同時に死を覚悟した。そして昨日謎の陰陽師に怒鳴られたながらも言われた言葉を思い出した。
そして思う。ここで私が死んで喰われたら上級悪魔は強化される。この付近にいる人間を喰らい。更に強くなり。最終的に何百・何千という死者を出すと。
だから戦わなければ。でも足がすくんで腰に力が入らなくて動けなかった。
私は死を覚悟して目を瞑った。
その時の私は、それはもう凄く無様な姿だったと思う。
だけど死はいつまでたっても訪れなかった。
そう、勇気君が守ってくれたのだ。私なんて足元にも及ばないとんでもない霊力に圧倒的という言葉が優しく感じるような才能。私は自分の命を勇気君に掛けた。事のあらましを簡潔に伝えて、上級悪魔を倒す協力をしてもらった。
そして苦戦しつつも何とか上級悪魔を倒せた。そして私の心も勇気君に倒されてしまった。
だって、ピンチの時に助けてくれて、怪我をしながらも強大な敵を倒してくれたヒーロー、私も年頃の女の子惚れないわけがないじゃない。
それから家に帰ってお父様に今日の出来事を報告し。そして何で上級悪魔が出たのかを問い詰めた。でものらりくらりと躱されてしまい、結局満足のいく回答は得られなかった。
ただ、反応からして、何となくお父様もこのことを知らない感じはした、おそらく陰陽連上層部の判断かなって。あの人たちは平気で恐ろしいことをする、人の心のない人たちだから。
ただ、それでも今の私では絶対に逆らえない雲の上の存在、腐っても陰陽師を統べる者、下手なことをしたら、私も、いや、勇気でさえも消される、ないし洗脳されて操り人形にされる。そんな存在。
だから、私は何も聞かないことにしたし、この上級悪魔が出て来た件は忘れることにした。それがきっと一番良い答えだから。
そうして夜、自分のベットに入り。今日の出来後を思い返した。思い返して。私は勇気君の恋をしていると理解をした。
もちろん勇気君が陰陽師の才能に溢れていて。あの安倍晴明様の血を受け継いでいるからというのは理由にある。でもそれ以上に勇気君が好きだった。
あの時、自分も命の危険があるのに、初めて悪魔と遭遇しただろうに。私の為に恐ろしい悪魔と戦って私を救ってくれた、あの姿。
学校で見せる優しくてカッコよくて何でもできる姿。
誰にでも分け隔てなく接して、困ってる人がいたらつい首をつっこんで助けにはいるその姿。
そして困ってる人を救えるだけの力を持っている。
勇気君の周りはいつも笑顔が多い、男子からもイケメンめと嫉妬されつつも、何だかんだで友人として愛されてるし、よく遊びに行っている。それだけ性格が良いってことだ。
ああ、本当に勇気君はカッコいいな。
・・・・・・・・・・
明日勇気君に告白しよう。
陰陽師とかじゃなくて、一人の女の子として勇気君にアタックしよう。
だって、私は勇気君が心の底から好きなのだから。
そう思ってから私は告白を考えた成果バクバクとうるさい鼓動を感じつつ、自分に陰陽技をかけてなんとか寝むりについた。
かくして次の日、学校に行き放課後に告白しようと思ったら、まさかの猫子さんというライバルが現れた。
猫子さんはあっという間に勇気君に気に入られて勇気君のお弁当を作るという役割まで持ってしまった。もう、はたから見たら完璧にカップルだ。
でも、まだ付き合っているわけではないし、この思いを私は簡単に諦めるなんて出来なかった。
そして、私は放課後誰もいないのを見計らって。
「勇気君私と付き合って下さい」
と言ってしまった。自分でも死ぬほど恥ずかしいし、振られないかで心臓バクバクしててうるさい。
「ごめんなさい、俺今日はいきなり二人の女の子から告白されたの自分に陰陽師の力があるとで頭がこんがらがって、上手く整理がつかないんだ。だから返事は・・・」
チュ
私は勇気君が喋っている途中だけど頬にキスをした。多分返事を今度にするって勇気君の口から聞きたくなかったんだと思う。
「返事は今は良いよ、私はこれから勇気君といつも一緒にいるから、そして絶対に勇気君を私にメロメロにしてあげるから」
言ってしまった。恥ずかしい、恥ずかしい、自分でも何でそんな言葉が出た。死にそうなぐらい恥ずかしい。
ああ、もう本当に心臓がうるさい。
「分かったよ。白木、あ、それでよければ陰陽師そして悪魔や妖怪について僕に教えてくれないかな」
確かに教えておいたほうがいいな。私はそう思い勇気君に陰陽師について妖怪について悪魔についてを一通り説明し、そして互いにラインを交換して家に帰った。
因みに家族以外で初めての男の人のラインなのでかなり緊張しました。
でも、物凄く嬉しかったです。勇気君のラインってことでベットの上で一人ニヤニヤしていたのは秘密です。
――――――――――――
越田頑張って思った方は星やハートを頂けると嬉しい限りです。
越田もきっと立ち直れると思います。
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