第6話 二日目
朝、目が覚めると木で作られた知らぬ天井だった。昨日はあの後モーガンさんから酒を誘われ、未成年ということを伝えると
「向こうの世界のことは知らんけどなこのジャヤホールは18から成人なんだよ」
という事でお酒をたくさん飲まされた。一応俺も大学生で飲み会やら、宅飲みをしていたがあんなに飲んだのは初めてだった。
頭が痛い。
だが、昨日の出来事は夢じゃなく現実の事で、やっぱり異世界に来たんだなーという実感がわいた。
「とりあえず、今日はお金を稼ぐために魔石を冒険者ギルドに持っていって、クエストを受注しよう。」
ボールが転がってることに気づきボール入れに入れようとしたらすでにボールが3つ入っていた。ボール入れも魔法道具になっていたようだ。
ボールを鑑定した。
ボール レア度☆☆☆
40mmのボール。ラケットで回復できる。使い捨て。
ボール レア度☆
40mmのボール。ラケットで攻撃できる。使い捨て。
ボール レア度☆☆☆☆☆
40mmのボール。ラケットで発動できる。使い捨て。3分有効。
今回は全部使い捨てのようだ。ペンなど持っていないので分かりやすいように右ポケットに昨日使ってない貫通を入れ、左ポケットに☆1の攻撃をいれた。残りはボール入れにとりあえず入れた。
携帯で時間を確認すると11時近くになっていた。あと通知の欄にアップデート完了の文字があり何がアップデートされたのか確認しようとした時ドアを叩かれた。
“ドンドン”
「お客さん、もうすぐ退出時間だよ!食堂にサンドイッチあるからわすれさんなよ!」
急いで卓球のTシャツに着替えて片付けを済ませ、食堂で朝ごはんのサンドイッチ、2つずつ分けておいてあったのでそこから1組取り、宿屋を出た。
「うん、意外と美味しい。」
朝ごはんのサンドイッチは卵サンドと、ハムとレタスサンドで美味しかった。特に、ハムレタスサンドはカラシのようなピリッとしたソースが良かったが、まだ味を濃く作ってもいいかなと思った。
「冒険者ギルドです。ご用は何でしょう?」
今日の受付はカレンさんではなくちょっとあしらう様に受付された。俺は昨日の夜言われた通りに敬語を使わないように気をつけて話した。
「魔石を売りに来た。ここのカウンターで売却できるか?」
「はい、できます。この魔石ですか?えっ、ストームウルフの魔石!?」
「なんか不都合か?」
「いえ、珍しい魔物で倒すのも難しいのでなかなか市場に出回らない魔石で驚きました。」
受付の女性は机の引き出しの奥の方から魔石買取額が書かれている皮?を取り出した。
「5万ヤンになりますね。ギルドカードに入れときましょうか?」
「ごまっ、お願い。」
5万という値段にびっくりしたが、お金を持ってないという事を悟らせないという意地で平常心でギルドカードを渡した。
「所持ヤン0ですけど、初めてのご入金ですか?」
「あっ、そ、そうですね、現金派だったので。そういえばこれって落としたり、取られたりした時は止めることって出来ます?」
すぐに金持ってないのがバレた。あともしもの時のためのことも聞いとくべきだよな。
「説明聞きました?これ本人以外は使えないようになってるんですよ。」
「いえ、昨日作ったばっかりでカレンさんから説明なかったです。」
「カレンね、すみませんしっかり指導しときます。闇市以外だと全てギルドカードで支払えます。この四角い端末がどこの店にもあるのでタッチするだけで使えます。他にご用件ありますか?」
「あと採取や討伐の依頼はないか?」
「ありますよ。ストームウルフを倒せるくらい強いなら大丈夫かなと思いますが、この辺りの魔物は結構強いので中央都市近くの方がGランクのイチローさんにはオススメです。」
俺はボールの個数が限られてるのと昨日のモーガンの言葉を思い出し、中央都市で依頼をすることを考え移動することにした。
ギルドの受付のおねえさんによると中央都市までは3日間かけていくそうだ。その道中町を経由して行くが多少の非常食や、水があった方がいいと言われた。多くなれば荷物になるが俺にとってはいらぬ心配である。重さは変わらずたくさん入るリュックがあるからだ。
街には武器や防具、衣類、食料品が揃っていた。露店もあり、ここも十分都市と言えそうな場所だった。
さっきから周りの視線が俺に向いてるが服が少し派手なせいだろう。なんせ卓球のTシャツはとても派手なのだ。昨日は黒のジャージ着ていたからそんなに目立たなかったけど。この世界の人達は茶色や黒、白、灰色などの地味目な服ばかりだ。冒険者も甲冑や革装備だがあまり目立たない様な服を着ている。
俺も地味めな服買っとくかなーと思って服屋に立ち寄り500ヤンのTシャツを3枚買った。
そのあと、食料のパンや肉、野菜、調味料を買いそろえた。米はなかった。
8000ヤンを使って3日間過ごせれる食料をバックに入れた。
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