第3話 移動



 「コウイチ、何か食べ物を持ってないか?異世界の食べ物はうまいからな。」


 「その口調は何か食べたことがあるんですか?」


 「ああ、すしというものを食べたことがある。」


 「え!?その人はどんな格好でした?」


 「えーと、白い服をきて頭には潰れたような円形の帽子をかぶって変だった。あとお客さんって人もいた。いきなり車ってのが突っ込んできたっていってたな。」


 「そうなんですね…」


 頷きながら、事故した人がここに運ばれてくるのかと推測する。


 「ところで異世界の食べ物はあるのか?」


 「あっ、ありますよ。これです。メロンパンという食べ物です。」


 「メロンの味のするパンか?」


 「いや、各子状形がメロンに似ているのでこの名前が付きました。」


 「お礼はするからそのメロンパンっていうのをもらってもいいか?」


 「ちなみにお礼というのは…。」


 「どうせこの世界のお金持ってないんだろ。だからお金と近くの町まで送ってやるのでどうだ?」


 「分かりました、それで大丈夫です。あとお金の物価もわからないので教えてもらえませんか?」


 「おう。それじゃあ交渉成立だ。」


 この異世界の基本情報を馬車の荷台に乗りながら教えてもらえることとなった。

 まとめてみるとこのようになる。

 〇魔法編

 ・この世界は魔法が使える世界、鍛錬すれば魔法を習得することができる。でも才能によりレベル上限が変わってくる。

 ・レベルの概念がある。

   Lv0 魔法を使えない。(無属性は除く)

   Lv1 詠唱を唱えたら魔法が使える。初級魔法は5秒、中級魔法は1分、上級魔法は5分。

   Lv2 魔法陣を空中に書き魔法を使うことできる。属性で書く魔法陣は違うが初級~上級を平均20秒くらいで書ける。

   Lv3 無詠唱で魔法を使える。

   Lv4 無詠唱で最上級魔法を使える。

 ・魔法は火・水・風属性の魔法は基本魔法と闇・光・氷属性は合成魔法とされている。

 ・火属性と水属性で闇属性になり、火属性と風属性で光属性になり、水属性と風属性で氷属性になる。

 ・基本魔法と合成魔法にはそれぞれ特徴がある。

   火属性・威力が高い

       単体攻撃がほとんど

   水属性・殲滅力が高い

       発動が遅い、魔法陣が難しい

   風属性・発動が速い、連射速度が速い

       威力が低い

   闇属性・モンスターを召喚できる。

       初級魔法は混乱付与

   光属性・回復に秀でている。

       初級魔法は視力瞬間ダウン

   氷属性・支援に特化している。

       初級魔法は相手の動きを妨げる

 ・無属性魔法もあり、攻撃的な魔法はないが生活に使用される。無属性魔法は生活魔法とも呼ばれている。これにも才能の違いで覚えられるかが変わるが一部を除いてほとんどの人が使用できる。小学校で教わるらしい。例としてはこの様なものがある。(覚えやすい順)

クリーン(洗濯・掃除魔法)

スコープ(遠くを見る魔法)

カウント(数える魔法)

ボックス(アイテムボックス)


 〇地形編

 ・ジャホール大陸という国で、地図を見せてもらうと北海道のような形である。真ん中に中央都市がある。

 ・ドラゴンが三体存在する。

 ・北の火山に火竜アグナエチダス、南東の島に水竜ウィンズヘルド、南西に風竜ファンクジャがいる。

 ・村や町が多く存在し、その村や町によって条例や税が変わる。

 ・奴隷制度がある。左手の甲に奴隷の焼印がある人が奴隷。

 ・冒険者と商業者、建設者、衛兵の仕事があり、ギルドカードが違う。

 〇お金編

 ・お金の単位はヤン。

 ・銅貨10ヤン、銀貨100ヤン、金貨1000ヤン、大金貨1万ヤン、白金貨10万ヤン、エメラルド金貨100万ヤン。

 ・銀行がある。ヤッシュカードという魔法のカードで税や支払いができる。お金が入ってない場合は支払不可能。

 ・物価は都市や街、村によって違うが、大体は日本と同じくらい。


 とりあえず俺は携帯のメモに記録した。


 「着いたぞ。風車街だ!じゃあ俺はこのまま王都に向かうからここで別れるぞ。これはメロンパンのお礼の金貨4枚と銀貨9枚銅貨10枚だ。」


 「5000ヤンはもらいすぎじゃないですか?」


 「いや、最初はいろいろとお金かかるからそのくらいもらっとけ。」


 「そうですか。ありがとうございました。」


 普通なら100ヤンくらいのメロンパンが5000ヤンになった。でも本当に美味しそうに食べてたなぁ〜。

 初めて手に入れた硬貨が金貨とは!


 「入るのにもお金かかるからな。パスポート早めに作ってた方がいいぞ。」


 最後の忠告をうけ、トランスさんに別れを告げ俺は風車街の前にきた。

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