第二話 彼女は真実を語る

「こんにちは王様」


「お主は何者だ!謀反か!」


「これは失礼。私は魔法使いのラウラです。はい、これ王家の紋章です」


私はボロボロで血まみれになったローブを引きずって紋章を見せた。


「本物なのか...よくぞ帰ってきた...」


「まぁ帰ってこれましたよ。お、か、げ、で、ね」


「すまなかったな。助けてやれなくて...」


「そういう御涙頂戴の表面的な謝罪は良いです」


「そういえば勇者と剣士とプリースト殿は?彼らにも感謝を申したいのだが...」


...

不意に彼らのことを聞かれて涙がこぼれ落ちそうになるのを必死に堪えて私はこう言った。


「死にましたよ。他は全滅です」


「まさか魔王に...?」


「そんな名誉の戦死じゃありませんよ」


そうだ。

みんな魔王に殺されたわけじゃない。


「ではどうして...」


「それを語るなら、全市民をこの大広間に集めてください。話はそれからしましょう。そして晩餐会を開いてください。」


「そうじゃな...それが弔いとなろう...」


「えぇ。頼みますよ」


そして王様は全ての市民に王宮の大広間に集まるよう命を出した。


そこでは英雄の帰還ということで、盛大に晩餐会が開かれていた。


「では、皆さんご注目ください」

 

そう私は声を張り上げる。


そして壇上にたって言葉を紡ぎ始めた。


「私は勇者一行の一人である魔法使いのラウラです」


(ザワザワ...)


『他の方はどうなったのですか!』


「聞いておられませんか?死にました。一人残らず。私は最後の生き残りです」


「そんな...」


「今日はその話を皆さんにしたくて集まってもらいました。彼らの死を忘れてほしくはない。では始めます」

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