第4話 星宮 楓という名の少女3

次の日、僕の喫茶店にはいつも通り客は来たが昨日の少女は幼馴染を名乗る少女はやってこなかった。

結局昨日のあれは、僕の幻覚だったのか、もしくは何かの冷やかしだったのであろう。何か少し期待していた自分がいてすごく嫌だった。


そう思って店を閉めようと思ったときに

「遅くなって、ごめんね、空くん。やっぱりヒーローは遅れて来るものでしょ。」

そんな声ととも少女は大量の荷物とともに僕の目の前に現れた。それは何というかものすごく嫌な予感がした。


「とりあえず、何ですか?その荷物は?」

そう僕が言うと少女は僕に荷物のうちの一つを手渡して来た。その感じは幼馴染っぽかった。


「それは、私の荷物ですよ。空くんの家の部屋、空いているんですよね。空き部屋があるんですよね。だから私も一人暮らしの家賃を抑えるためにそこで暮らそうかなって」

そう言った。いや……


「いや、無理ですよ。第1にあなた15歳ですよね。無理無理無理無理、てか親には?」

犯罪臭が凄いし、犯罪者にはなりたく無かった。


「もちろん、言いましたよ。前世の知り合いにあったから部屋貸してもらうって」

うん?うん?うん?僕の脳みそが理解するまでしばらくの時間を要した。


「えっと、君は、君の親に前世の話をして、君の親はそれを信じているわけなんですか?」


そう僕が言うと彼女は強めの口調で

「今の流れでそれ以外にありますか?」

そう言ってから、ニコッと笑った。


「いや、可笑しいでしょ。」

前世をあっさり信じるものか?はぁ。


「それに、前の借りてた家解約してきたので、私ここに住めないと野宿ですよ。それでもいいんですか?」

何というか、ああこれ断れない感じなんですかね。ああ、なんていうか相変わらず……ああいや、ただ普通に凄まじい行動力だとは思う。


「仕方ないので、はぁあ」

そう僕が言うと彼女は荷物をさらに1つ僕に手渡して、ぴょんぴょん跳ねていた。子供かよ、ああ子供だったは。


「では、さっそく、お家に案内してください。空くん」


そういう彼女に真顔で

「仕方ないので、今日は遅いので喫茶店で泊まっていいです。けど、僕が代わりの部屋探してくるので明日には新しい部屋に行ってどうぞ。」

そういうと彼女はこっちを睨みつけた。


「違うでしょ、麗しいJKの幼馴染と同棲出来るんだから喜んで受け入れなさいよ。もう、返事は?空くん」

そう言ってポカポカと攻撃を仕掛けてきた。子供かよ、ああ子供だったは。


「はぁああ、無理ですよ。マジで、本当に」

そう僕が言うと彼女はニヤリと笑った。ああ、めちゃくちゃ嫌な予感がする。


「いいですよ、もし、ここで一緒に住まなかったらここで私騒ぎますからね。いいんですか?空くん」

それは、まあそうだな、どうしようか。


「近所迷惑で、通報しますけど、いいんですか?君。」


そう返すと、彼女はさらにニヤッと笑った。

「その時はロリコンのおじさんに攫われそうになってって言いますけどいいんですか?」

最悪だよ、それは、はぁああ。


「家賃は月2万円でいいですか?」


そう僕が言うと彼女はニコッと笑い

「タダでお願いします。」

そう言った。


だから、とりあえず、一旦店のドアを閉めた。

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