第79話 サリア教皇救出戦 美形神VS戦禍 HP&MPドレインと全能神の??

???のヤバさはまだまだ留まりを見せていません!


ーーー


「ようやく効いてきたみたいだな。あたいの痺れ薬♡」


イチロウです。体が痺れてしまい、現在ピンチに陥っています。


そして、声が聞こえた方に目を向けると、火傷と切り傷を負い、満身創痍で僕に近づくジュネの姿がそこにはあった。


「最初の<ファイア・ボム>の後に投げつけたナイフ。そこには痺れ薬を塗っておいたのさ。それも、僅かな動きすら出来なくなるほどの強力なものをな。」


ケラケラと笑うジュネ。最上級回復魔法を発動しようもするが、それすらうまく出来ないくらいに痺れている。これは、ヤバいかもな。


「さて、ちゅっちゅっする前に一つ教えといてやるぜ。さっきあの世に旅立てるくらいの心地よさを届けてやると言ったが、それは本当だ。理由はな」


痺れて動けない僕の元へと近づいてくるジュネ。赤色の唇をペロリと一舐めし、今にも食らいつきそうな勢いを見せつつ、更に言葉を繋げる。


「あたいとちゅっちゅっしちまうと、あたいの唇のことしか考えられなくなって、自分からHPとMPを捧げておっちんじまうからさ。」


ケケケと嗤うジュネ。しかし、体はまだ痺れが収まっておらず、僕はジュネから逃げることは出来ない。


「あ、でもその前にお色直しさせてくれな。今までで一番の上物の唇をいただくんだからさ。お互い、忘れられない最高の思い出にしたいだろ。」


自分の今の姿を思い出し、懐から赤色の口紅と化粧箱を取り出す。そして目の前でジュネは口紅をさして唇をより魅惑的に、化粧箱で顔や髪を綺麗にしていく。


そして、準備を終えた彼女は頬を手で包む。親指を顎に、人差し指と中指で耳を挟んで左右にブレないようにして僕の顔を引き寄せる。


「へへへ、どうだい。口紅をさした直後の女性の唇は。ほら、イチロウ。興奮するだろう。」


僕の鼻に赤色の唇を近づけて、匂いを嗅がせる。口紅からははちみつ系の匂いが漂ってくる。


「この妖艶な唇があんたのいろんなもんを奪っていくんだ。もう待ちきれなくてウズウズしてるぜ?早くイチロウをこの唇で堕として、ただのオスにしてやりてーからよ」


ハハハと嗤うジュネ。そんな彼女はとうとう、その唇を僕のものへと狙いをつけた。


「イチロウはそのままあたいの瞳でも覗いてな。ちゃんと最後まであたいがリードしてやるからさ♡ じゃ、いただくぜ♡」


血を塗りつけたかのようなジュネの唇。プチュッ♡とそれが、僕のものへと重なる。その唇はツカネ達のものとは違ってただ冷たく、まるで死に近づいていくように唇の熱が奪われていく。


「んっ♡クチュッ♡フフッ♡チュパッ♡」


ジュネはまず、赤い口紅を僕の唇に塗って馴染ませるようにニチュリッ♡と擦り合わせる。


そんなジュネの分厚い唇はゼリーのような柔らかさと弾力があり、そして僕の唇に蛭のように吸いついて離れなかった。


まさにキスに特化した極上の唇だった。


「イチロウ、あんたはすぐにあたいの唇の虜になる♡」


「え?ちょっ...」


言葉を遮るように、ジュネは再びキスを始めた。今度は唇を堪能するように挟み込む動きが加わる。


こちらをのぞき見るジュネの眼からは、こちらの表情や反応を見て楽しもうとする嗜虐的な心が現れていた。


「待たねぇよ♡んっ♡んうっ♡ほれほれ、抵抗してみろよ♡チュッ♡クチュッ♡チュッポ♡」


キスの経験が豊富なのか、噛む力とか吸いつく程度とかがとにかく絶妙だった。こんなキスを一度体験してしまうともう普通のキスでは満足できなくなる。それほどにジュネのキスは万人を病みつきにさせてしまうほどのものだった。


「あむっ♡ヂュルルル♡あたいのちゅっちゅっはそこらの女どものもんとはわけが違ぇぜ♡数多の男どもを一瞬で骨抜きにしてしまう魔性のちゅっちゅっなんだからよ♡ヂュルルルルル♡」


もっと味わいたいと思ってしまい、途中からは僕の方からもジュネの唇を堪能するように味わってしまった。


「はぁ...はぁ...」


「いい感じに堕ちてんな、イチロウ♡このままあんたの小ぶりな可愛い唇、あたいがいただいてやんよ♡ズッジュルルルル♡」


肉厚でぷるっとしたジュネの唇。それが僕の唇全体を包むようにして挟むと、激しい水音をたてながら吸い込んだ。


(く、唇がまるで溶けて吸い取られて!?あ、ああ。)


「ヂュルルル♡あんたの唇も、これであたいのもんだぜ♡ズッジュル♡ズッジュル♡」


ジュネが目を細め、一気に吸引力を上げて唇を吸った。すると唇の感触と機能がまるで奪われるようになくなっていった。


「プッチュ♡ヘヘッ、どうだい?あたいのちゅっちゅっは?唇が溶けてなくなるみたいでヤバかっただろ?<蜜蕩の花唇ハニー・リップ>ってんだ。」


「あ...あぅ」


鼻の下からは糖度の高い蜂蜜のような甘くて強烈な匂いが漂うだけで、唇すべては文字通り、ジュネに奪われてしまった。


「いや、聞くまでもないか。途中からはあんたからもノリノリであたいの唇に吸いついてきたし、それにそろそろ効いてきたみたいだしな」


否定したいのに否定しきれない。それにおかしい。痺れ薬の効果はもう切れているはずなのに、体に力が入らないし、ジュネを見ると不意に心臓がドキドキして顔に熱が集まるのを感じる。


「ヘヘヘッ、あたいを見てドキドキするだろ。あたいの口紅には媚薬が仕込んであるんだ♡ 赤い薔薇はふらふらした雄蝶を魅惑の花園へと誘うんだぜ」


頭では媚薬のせいだと理解しても、体が言うことを聞いてくれない。気づくと今度は自分からジュネに唇を差し出そうとしていた。


「ひな鳥みたいに懇願しやがって。そう急かさなくてもやってやるから、今度はしっかりとあたいの唇、受け止めろよ。いくぜ、<蜜蕩の花唇ハニー・リップ>。」


ジュネの唇が重なり、唇をそぎ落とすように挟み込みと吸い込みを繰り出される。ジュネは口角を上げ、嘲笑うような目でこちらを覗いていた。


ジュネは男をたらし込むことに喜びを見出しているようにみえる。


「チュッ♡んはぁ♡あんたの今までのちゅっちゅっの経験や思い出、全部あたいのに塗り替えてやんよ♡ピチュッ♡ヂュルルルルル♡」


上唇は包むように挟んで吸い込み、下唇は揉むように挟んできて激しく吸い込まれる。特に咥えたり甘噛みされたりすることで蓄積される痺れが程よくなったタイミングで繰り出さる吸い込みは痺れを爆発的な快感に変え、次第に溶け合っていくような錯覚まで覚えてしまう。


「んー♡チュパッ♡唇がお留守だぜ♡そんなノリの悪い唇なんざ、あたいの悩殺下唇で塞いでやんよ♡クチュルルル♡」


ジュネはふっくらとした下唇を僕の唇の間に捻り込み、開口部を埋め尽くした。この下唇は強烈で、触れるだけで唇で食べるようにして味わいたいという欲を引き出すほどの代物だった。


ジュネの下唇に触れるとプニッとした柔らかさを感じ、咥えると程よい勢いでトロトロの空間へと沈んでいく。そして僕の唇が空間に沈む度に、ジュネの下唇からくる弾力が大きくなり、唇への吸い付きがより一層増して、溶け合うような快感が押し寄せるのだ。


「へへ、あたいの悩殺下唇にすっかりメロメロだな、イチロウ♡赤ちゃんみたいにチュウチュウ吸ってきて可愛いぜ♡ズッジュルルル♡」


ジュネが激しく吸い込んでくると、蜂蜜のようにドロドロになった唇が吸収された。


「チュップ♡どうだい?唇を激しめに奪い抜かれた気分は?」


「き、気持ちよかった。」


「フフッ♡あたいの<蜜蕩の花唇ハニー・リップ>、気に入ってくれたようで嬉しいぜ♡」


ジュネは指で僕の顎を撫で、持ち上げる。


「どうせなら、<蜜毒の花唇ハニー・ボツリヌス>もしてやろうか?今度は心を優しく奪い抜いてあげるぜ♡」


「でも、僕はジュネの敵だし、心を許してしまうのはやっぱり駄...目...」


ジュネのぽってりな唇が僕の唇に近づき、後少しで触れそうな所で寸止めした。


「つれねぇこと言うくせに...さっきは唇を差し出そうとしてたじゃねぇか。だからさ、今度はイチロウの方からしてくれよ♡」


ジュネはさっきのような挑発的な表情ではなく、うるっとした瞳で僕に熱い視線を送っていた。


そんなジュネの瞳に浮かされ、今度はこっちから唇を重ねてしまった。


「も...もっとジュネの下唇味わいたい」


「いいぜ♡ほら、もっと口開けな♡そこにあたいの悩殺下唇を差し込んでやるからよ♡」


僕のご希望通りに、ジュネの下唇がゆっくりと僕の開口部を埋め尽くす。そして、ジュネはそのまま僕の上唇を聖母のように優しく包み、今度はゆっくりと優しめに吸い込んでいく。


「チュルッ♡チュルッ♡あたいの悩殺下唇の味はどうだ、イチロウ?」


「や、柔らかくてスベスベしてプルプルで。それに暖かくてトロトロしてもっちりと吸いついてきて...触れているだけで気持ちいい...。ジュネの下唇をいつまでも咥えていたい...」


「そうだろ?あたいの悩殺下唇は、触れるだけで男どもを一瞬で昇天させちまう極上の代物だからな♡あんたの思考を一気に天国まで吹っ飛ばしてやんよ♡」


柔らかくて温かい感触で僕の上唇をくるませつつ、ジュネはその下唇を僕の好きにさせる。


さっきまでと違い、限りなく甘い時間がこの場を支配していた。


「プチュッ♡チュルッ♡チュルッ♡甘ったるいちゅっちゅっも格別だろ♡表情がトロトロになってるぜ♡」


双丘を押しつけるようにジュネが体重を乗せてくると同時に、僕の口内にねっとりとした甘味のする粘液が注ぎ込まれる。


その瞬間、顔全体が火傷したかのように熱くなり、呼吸も体全体でするのがやっとになっていく。


そして、段々熱さが増してきて、心はぐつぐつと煮えて水飴のようにドロドロになる。


「チュルッ♡チュルッ♡ワインを流し込まれているみたいだろ♡媚薬が溶け込んだあたいの唾液をコクコク飲んでいる姿、可愛いぜ♡チュルッ♡チュルッ♡チュルルルッ♡」


ジュネはそんな僕の姿を見て微笑を漏らし、水飴になった心を飲み干すように僕の上唇を吸い込んでいった。


駄目だ。体中に熱が回ったせいでぼーっとして力が入らない...。ジュネの下唇に吸い付くことしか出来ない...。


「ふわぁ〜。ジュ、ジュネ。僕、もう...。」


「ふふ、酔ってきただろ♡唇だけでなく、心もしっかりと奪い抜いてやるぜ♡チュルッ♡チュルッ♡チュルルル♡」


ジュネの唇が僕の唇にべっとりと絡みつく。絡みつかれた僕の唇は離れることなど出来ず、ジュネの口紅がたっぷり含んだ唾液の侵入を許していく。


それにより、僕の心が蜂蜜漬けになってゆっくりと溶かされ、ジュネに吸い尽くされる。


「イチロウ。あんたの唇と心、このまま全部ひっくるめてあたいに捧げちまいな。チュルッ♡チュルッ♡ヂュルルル♡ズッジュルルルル♡」


そして、完全にジュネのことしか考えられなくなったタイミングで、ジュネは唇を名残惜しげに離した。これにより、僕とジュネの間に赤い糸が引かれた。


「チュッポ♡ごちそうさん。ご希望通り、あんたの唇と心はすべてあたいが頂戴したぜ」


ジュネは人差し指で唇をなぞった。たったそれだけで、頭が沸騰しそうになる。


「これでイチロウも、あたいのちゅっちゅっ中毒者入りだな。男があたいの唇で堕ちる様はいつ見ても滑稽で愉快だぜ」


情けない僕の様子を、ジュネはケラケラと嘲笑っていた。普通なら屈辱に染まるはずなのに、心を奪われてしまった今ではそれすら魅力的に見えてしまう。


「なあ、イチロウ。あたいとまたちゅっちゅっしてーか?」


断らなければならない質問なのに、首を縦に振ってしまう。もう視界には、赤色の2枚の花弁しか映っていなかった。


「またしてやってもいいが、次からはタダじゃねぇぜ。あんたのHPとMP全てをあたいに捧げる。その条件を飲めば、今度はもっと熱いやつしてやってもいいぜ?さあ、どうする?」


ジュネはケラケラと笑いながら、僕に唇を近づける。けれど、さっきのキスで思考皆無に追いやられた僕は悪魔の契約を受諾してしまった。


プチュッというリップ音ともに、僕の唇は一瞬でジュネの唇に捕らわれてしまった。


「あーあ、ちゅっちゅっしちまったな。もう唇は離さねぇぜ。あんたのHPとMP、枯れ尽くすまで奪ってやんよ。<地獄へ誘う赤薔薇ヘル・レッド・ローズ>。」


僕の口の中に冷たく長い舌が差し込まれる。ジュネの舌はざらつきがなくニュルッとしていて、その冷たさは口の中の感覚に依存性を与えた。


それと同時に、体から何かが吸い取られていく感覚を覚え始める。HPとMPが吸い取られているのだろう。ジュルッ♡と水音を立てる度に、僕の身体の中から青色の光と緑色の光がこみ上げ、目の前でその2色の光がジュネの口の中へと流れ込んでいくのが見える。


「ジュルッ♡ゴクッ♡んっ♡んうっ♡ジュルルルルッ♡ゴキュッ♡ゴキュッ♡」


ジュネの舌が僕の体温で温まると、ジュネはフフッ♡と笑って腕を首の後ろに回し、お返しとばかりに僕の体に2つの双丘をムニュリ♡と当てていく。そして茶色肌の手を後頭部に回して押し込んで、キスをより深くし、まるで牢獄にでも入れるかのように、ジュネの唇は僕の唇を包括し固定しにかかった。


僕の方も腕をジュネの腰に回してジュネの双丘を潰し、ジュネはその艶かしい美脚で僕の腰をホールドした。


クチュッ♡ピチャッ♡ジュルルルッ♡


という水音が、耳にダイレクトに聞こえ始め、ここには僕とジュネの2人が互いに蕩け合う情熱の場所へとなっていた。


シュウウウウウッ!


すると、ジュネの方にも変化が生じ始める。僕との戦闘でつけられた切り傷や火傷がみるみるうちに治り始めたのだ。そのスピードは時間が経過する毎に早くなっていき、1分経過する頃には僕と出会った時の無傷の状態へと戻っていく。


(へぇ...。全回復してもイチロウはおっちんじまう気配がしねぇ。なら、アレもいけそうだな♡)


チュポ♡と水音を立てて、唇を離したジュネは僕を寝かせ、服を取っ払っていく。僕の唇は、ジュネのさしていた口紅で真っ赤に染まっていた。


「イチロウ。あんたならこっちの方で吸い取るに値すると認めるぜ。良かったな。今からかける技は、あんたで2人目。つまり、あんたはあたいのセカンド相手になれるってことだ。へへへ。楽しみだなぁ。ちゅっちゅっだけじゃなくて、ぎゅっぎゅっも出来るなんてよ。ホント大司教様には感謝しねーとな。」


ジュネはその茶色肌を惜しみも無く晒すと、ゲヘヘヘとイチロウの上に馬乗りになる。


「さて、それじゃ一気にいただくぜ。あたいが満足するまではおっちんじまうんじゃねぇぞ。<地獄に堕とす交わりヘル・アマラス・コングレス>。」


ジュネはそのまま絞り取りにかかる。その瞬間、常に快感が電流のようにして襲いかかり始めた。


「うっあっあぁぁっ。」


その威力は我慢すら許さずに、2色の光が湧き上がり、ジュネへと吸い込まれていく。


「ふぅ。はぁ。HPもMPも凄ぇ量だ。これは吸い取り甲斐があるぜ。おっ、またきそうだな!そんなにあたいとのぎゅっぎゅっは気持ちいいか?ほれ、どんどん捧げちまいな!」


ぎゅうううっ!


絞る力が強まることで、先ほどとは比べものにならないスピードでHPとMPが吸い取られていく。


だが驚くべきなのは他にあった。気持ち良すぎる。気持ち良すぎて、ジュネの絞り取りには中毒性があった。


「ヘヘヘッ♡止まらねぇだろ♡さっきからあたいは少しも動いちゃいねぇぜ?もう気持ちよくなることしか考えていねぇだろ♡そうしているうちにもどんどんHPとMPはあたいに吸い取られるのにな。」


絞り取りの絶妙な力加減と氷室のような冷たさ。それらが体の感覚を敏感にさせ、そして絞り取られる回数が重なるにつれて、過敏な神経からくる快感が増幅していく。


その快感の増幅はほんの数秒で病みつきへと変わってしまい、自分からそれを求め、HPやMPの吸い取るスピードを加速させてしまう。


「ま、ちゅっちゅっもぎゅっぎゅっも、理性を消し飛ばしてあたいに依存させるレベルに仕上げてんだし、当然の結果だけどな。HPとMPがあたいに吸い取られるたびにより気持ちよくなる感覚、クセになっちまうだろ?」


駄目だ。気づくと絞り取られた後になってしまっている。これでは自分からHPとMPを貢いでいるのと同じなのだが、無意識に体が動いてしまい、止めようとする気が全く起こらない。


けれどもうやめることが不可能なくらいに快感は増幅してしまい、僕は更なる快感を求めてしまう。神経はより敏感になり、快感は増幅させてHPとMPが絞り取られるとともにやめることがより出来なくなっていく。そんな底なし沼のような、快感のスパイラルに僕は見事に依存してしまっていた。


「さて、あたいのぎゅっぎゅっがお気に召したようだから、あたいも動いて気持ちよくなるのを手伝ってやんよ!」


ジュネの言葉はすでに耳に入らなかった。快感が体を支配し、もはやHPやMPが不要なものとさえ誤認してしまっている。ジュネはケラケラと笑いながら、蜂蜜の匂いで包みこんできた。


ぎゅうううう!!


ジュネが動く度に、彼女の身体が青色と緑色に輝く。HPとMPの吸い取るスピードが増したため、より光度が増していた。


「へへ、いい子だイチロウ。そのままあたいに身を委ねてな。今から強烈なやつをおみまいしてやるからよ。<地獄に堕とす交わりヘル・アマラス・コングレス咲き乱れる赤薔薇の楽園ラヴィアンローズ>!」


その瞬間、絞る力が乱暴的に強くなり、目の前で妖艶にダンスし始めた。これにより、熱く溶け合うような快感が全身を襲い、爆発した。そして、それを最後に思考がショートし、意識が定まらなくなった。


「ふはぁ~。イチロウやっべ。絞り取っても即座に回復しやがる。ちゅっちゅっもぎゅっぎゅっも互いに相性いいし、こりゃいよいよ夫になってもらわねぇとなぁ、ダーリン」


ごっそりとHPとMPが奪われ続け、ジュネの身体が青色と緑色で眩しく光り輝く。おそらく、<全能神の??>(全ての能力値∞)がなければ確実に地獄へと誘われている。


ジュネは体全体を密着させながら縦横無尽に動いていた。汗を飛び散らせ、蜂蜜の甘ったるい香りを振りまきながらも、魅惑的な動きでHPとMPをどんどん絞り取っていく。


その姿はとても色っぽく、劣情を抱かせる踊り子のように映った。


「よし決めた。今日からイチロウはあたいのダーリンだ。今から婚約の儀を交わすぜ♡<蜜愛の赤薔薇ハニー・レッド・バラード>♡あたいがイチロウの心臓部にじっくりとちゅっちゅっすると蜂花紋を刻み込まれて、めでたく婚約成立するんだぜ♡」


ジュネが魔力を唇に注ぎ、唇の色を赤からピンクへと変えていくと、そのまま左胸にキスマークを刻みつけていく。


すると次第に腹が熱くなり、蜂と花の紋章が現れ始め、意識が消失し始める。だけど、ジュネの魔性のキスと絞り取りならば、それらと引き換えに消えてもいいと思ってしまうのがなんとも不思議な感覚で


















「イーチーローウーさーん。浮気ですかぁ?」


うわ、出た。というより、ヴィシュヌ。最近、少しでも全能神関連のワードを出すとあなたが出てくるようになったのは気のせいだろうか?


「な、なんだおま」


「うるさい。」


ヴィシュヌが左手をジュネに向けると光を発し、瞬く間にジュネを消し去っていった。ヴィシュヌ怖ぇ!


「さーて、イチロウさん。その神聖な身体が穢れてしまいましたね。唇なんて...うわ、臭いです。嫌な匂いがします。これは即刻、浄化する必要がアリマスネ。」


ハイライトオフのヴィシュヌが暗黒のオーラを出して、僕の上に馬乗りになり、そしてあの部屋(ヴィシュヌの部屋)へと僕を転移する。


「さぁ。ここからは禊祓みそぎばらいです。大丈夫です。終了時は現実で1秒しか経過していないように調節していますので、しっかりとその穢れを祓いましょうね。」


ヴィシュヌは僕の方を見て、その項目を通告する。


「肌は浅くしか穢れていませんので味見10年、唇はかなり深いところまで穢れていますのでキス20年、下の方は唇と同程度に穢れていますので絞り取り20年は最低でもしなければなりませんね。」


つまり、禁錮50年の重罪じゃないですかヤダー。


「イチロウさんが悪いんです。私達に捧げる身体を有象無象に許してしまったのが悪いんです。これは然るべき措置なんです。仕方が無いですよね?」


これにより、僕はヴィシュヌによる禊祓という名の懲罰を受けることとなった。


ーーー


???怖い。???怖い。

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