第61話 特級神の武器VS2人の上級神の魔法

「絶対に許しませんわ、虫けらどもツカネ、アカネ、シラユキ!じわじわとなぶり殺しにしてくれる!」


囚われのイチロウです。現在、ヴィシュヌとのキスと絞り取りを王城で味わった後に武器神というバリューセットが提供され、逆流性食道炎になりつつあります。そんな武器神は、魔法陣から鉈、剣、包丁などの物騒な物を射出しています。取り合えず、鑑定。


ソール

レベル:370

種族:武器神

[能力値]

HP:370,000/370,000

MP:370,000/370,000

攻撃力:370,000

防御力:370,000

[スキル]

<武器素材生成>、<鍛冶魔法>、<付与魔法>、<精錬魔法>、<抽出魔法>、<最上級武器術>、<武器修復>、<万能>

[固有スキル]

<武器神>

[好感度]

∞/100(全特級神中、最狂値)


僕は即座に鑑定をやめた。[好感度]の欄で、見てはいけないものが見えてしまったからだ。何だよ、∞や最狂値って。ヴィシュヌ、アウラと並ぶ天敵じゃないか。この3人を今日から特記狂力とっきせんりょくと認定しよう。


「<雷光>。」


「<フォレストエマージェンス>。」


武器をツカネの魔法により生み出された樹木で防ぎ、その間にシラユキの落雷で攻撃を与える。


「あわわわわわ。中級神である私では、この戦いの足を引っ張るだけですぅ。お兄ちゃん。何とか止めて下さい!」


おお、最愛の義妹よ。僕の恰好を見たまえ。鎖でグルグル巻きにされているこの状態で...攻撃力∞の力があったな。そう言えば。


「むん。」


壊れない。


「キヒヒヒヒ。この鎖には<不壊>が付与されているため、壊れませんの。それにしても、今逃げようとしましたわね。」


くりんと後ろを振り向く武器神。ヒィッ!?


「罰として、後であなた様が果てるまでベッドの上で絞り取って差し上げますのでお楽しみにしてくださいまし。」


ひゃ、ひゃい。


「余所見は」


「禁物じゃ。」


ツカネの最上級光属性魔法<スター・プリズム・ブレイカー>。そしてシラユキの最上級竜魔法<ホワイト・ゴッドブレス>が同時に武器神が放たれる。


「なるほど。さすがは仮にも上級神を名乗る女神達ですわね。」


だが、武器神は足元に魔法陣を出現させて、数十メートルの盾を召喚して防ぐ。


「ならば、特級神であるこのソールが全力で応えて差し上げましょう。」


すると、巨大な魔法陣が空中で出現して巨大な銃身が出現する。


「この完成神銃『スサノオノミコト』で。」


更に2つの魔法陣から弾倉と取っ手が現われる。


「お、大きい...。」


「こ、これが、星一つを細々に消し飛ばしたと言われている武器神の『スサノオノミコト』か?」


それ、ここで召喚しては駄目な奴じゃん。止めなければ。くそ、外れない。


「まだだ。定まりなさい。」


武器神が右手を握ると、2つのパーツがキャノンの砲と合体して、一つの巨大なキャノン砲を形成する。


「武器を纏う魔力が安定したのじゃ。」


「ここまでの差があるとはねー。戦闘神はこんな武器を相手に。」


上級神2人も呆気にとられている。


「このキャノン砲を止められるのは今の所唯一、サクヤのみですわ。だが、彼女はまだここには来ていない模様。それもあなた達にとってはかえって良かったと思えるかもしれませんわね。何故なら...」


武器神がその引き金を引くと、キャノン砲から膨大な魔力の弾が発射!それは、大陸の遙か向こうの山脈一つを吹っ飛ばした。テロ・フィナーレかな?そう思うと、武器神はいつか首から上をパックンチョされそうだなー。


「私一人分なら、地図の訂正範囲が狭くて済みそうですので。キヒヒヒヒ。」


そ、そんな!?山脈が消し飛んでる!?それでも手加減して威力を抑えている感じみたいだな。だってさっきは星一つを消☆し☆飛☆ば☆すという不穏な単語が聞こえたし。


「さぁ。そろそろ終わりにして差し上げましょう。跪きなさい。そして、命乞いをしなさい。」


再び、キャノン砲の引き金を引こうとする武器神。ここで僕の脳裏に選択肢が湧く。


A.このままヤンデレ武器神と過ごす。


→ヴィシュヌも加わって、2人のヤベー奴らに永遠に絞り取られる。


B.ヴィシュヌを召喚する。


→Aよりはましだが、後に褒美として絞り取り2年分。


C.<キス術>を発動させたキスで無力化する。


→一番マシ。


良し。Cだ。Cで行こう。食らいやがれ、超必殺キス文化アタック。

















「はひ...アへ...フヘヘ...♡」


勝った。僕の足元には見事に<キス術>で撃沈してしまった武器神、いやソール。口元が緩んですっかりアへ顔ダブルピースを決めている。


「やったッ!!さすがお兄ちゃん!」


「妾達にできない事を平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるのじゃ!」


アカネとシラユキが称賛してくる。が、ツカネは何かを考え込んでいる。


「もっと漫画を読んで研究しなければ。例えば穢土から死者を蘇らせる術とか。」


それは本当にやめて下さいよ、ツカネさん。真似しちゃいけない技だからね。


「イチロウさん。」


「イチロウ様。」


「イチロウくん。」


拠点の方からチヒロさん、メルアさん、王女様ズの4人が出迎えて来たため、僕達はソールを連れて帰宅した。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る