第60話 遂に来た、7人目の女神(狂)!
[注意]名前が序盤に上がっているにも関わらず、未登場だったあの女神様が登場します。全能神の次にヤベー女神なので、心を準備するように。
ーーー
速報。統治については主にシャルティアとメルアさんと愉快な仲間達が行ってくれるらしいので、僕は冒険ができます。
そして、僕のエプタでのポジションは『穀王様』に強制的に決められました。
どうもイチロウです。建国記念パーティーや婚約発表、という流れにならずに現在、ペア岬の拠点へと向かっています。相変わらず、門番には
ヒッ
と驚かれましたが、僕が原因ではないので気にしないことにする。
「ボク達の国かー。」
「つまり、私達とお兄ちゃんの帝国は永遠に不滅というわけだぁ!ですね。」
「そういうことに協力を惜しまないのが妾達女神じゃ。」
建国のことで頭が一杯になる『女神の家』の面々達。そのまま僕達が拠点に続くトンネルへと差し掛かった時、トンネルから鎖が勢いよく飛び出してきた。
ジャラララッ!
反応に遅れて捕まってしまった僕は、そのままトンネルの中に引っ張られてしまった。
「いっくん。」
「お兄ちゃん。」
「婿殿。」
◇◇◇
「うわあああ。」
もの凄いスピードでトンネルの中に引っ張られていき、そしてトンネルを抜けて拠点である豪邸が見えてくると誰かに抱きしめられる。
「キヒヒヒヒヒ。ご機嫌よう、イチロウ様。」
ゾクリッとして下を見ると、金髪ウェーブの少女が口を三日月に歪ませてこっちを見ている。
「さて、早速あなた様の神剣をこの鞘にお納めいたしますわね。」
そして、懐から出した暗黒色の鞘に僕の神剣が収められるとそこから黒い鎖が出現し、僕と少女に巻き付けられる。その鎖が次第に僕達の体の中に吸い込まれていくと、2つの音が聞こえてくる。
「ほーら。聞こえるでしょう?私とあなた様の鼓動の音...。これが一つになるんですの。」
ドックドック
ドックック
ドックク
ドック
しばらく経つと、音が1つになった。それを聞いた少女は三日月に歪んだ口の口角を更に上げた。その時、僕に繋がれている魔力回路が1つから2つへと増加したことが分かった。しかも、そこから何かが流れ込んでくる!
「キヒ。キヒヒヒ。これであなた様と私は完全に繋がりました。一つになったのです。あああ、あなた様が流れ込んできます。内から浸食されていきますわぁー。」
鎖で拘束されている僕に馬乗りになる少女。自分の体を抱きしめて恍惚としているその姿は、十分に恐怖を感じるほどのものだった。グレートですよこいつぁ!そして、今度は倒れている僕の方へと向く。
「そして、あなた様も感じているでしょう?私の魔力が。如何です。永遠に繋がれた感覚は。これこそが私の思い描く
キヒヒヒヒと高笑いする彼女を見て、僕はただ凍り付いていた。何てことだ!?この少女、ヴィシュヌレベルにヤベー奴だぞ。
「と、取りあえずこれは一体何なのか教えて欲しいなぁー?」
僕はこの質問を口にした。
「そうですわね。もう終わったことなのでネタばらしいたしますね。これは、『
一緒ですわ。」
ハイライトオフの紅色の瞳を向けられ、舌舐めずりする武器神。つまり、何処に逃げ隠れしても速攻で見つかってしまうって事じゃないですかヤダー。もうヤンデレキャラはヴィシュヌでお腹一杯なんです。武器神というお得なバリューセットなんていらないです。
「ああ、そう言えば自己紹介がまだでした。私は武器神のソールと申します。以後お見知りおきを。私の伴侶様♡」
すると、頭を鷲づかみにし、僕の唇にかぶりついてくる武器神。
クッチュッ
クッチュッ
と水音を立てるそれは、愛を確かめるものではなくただの捕食。『私から逃げ隠れしたら、こうなりますの』と告げているような貪り方だった。
「...ファーストキスです。夕日に照らされて雰囲気も出ていますので、このまま絞り取りまで致しましょうか?イチロウ様。私、ハジメテだけはどうしても2人きりでしたいんですの。」
う、嘘だろ!?外でだけは勘弁してくれ。
「「「ちょっと待った!」」」
3人の声が聞こえた。助けに来てくれたのかと振り向くと、その3人は奇妙な立ち方をしていた。ドドドドドとかバァ~ンとかが背景で現われそうだ。
「いっくん独占禁止。まさか忘れたとはいいませんよねー。」
「そうです。お兄ちゃんから一旦、離れて下さい。」
「そうじゃ。そうじゃ。」
ツカネ、アカネ、シラユキの3人が抗議をする。
「うるさいですわね。私とイチロウ様のロマンチックな雰囲気をぶち壊す愚か者はあなた達ですか?」
すると、武器神の周りに魔法陣が浮かび上がり、そこから様々な武器が射出されていった。慢心せずに何が女神か!
「最上級竜魔法<竜巻>。」
彼女達の周りに豪風が発生する。武器を全て弾き飛ばし、『女神の家』の3人の女神達と、僕を鎖で捕らえた1人の女神が対峙した。
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