第62話 創造魔法料理で乾杯を...全然冒険してないじゃないかー!

これで2章を終了させ、3章で他国じゅうりんたいしょうへの冒険と話を移らせます。ちょっとプロスペリア編が長くなりすぎて、つまらなくなってきた所で次話から狂戦士達を世界中へと解放、暴れ回らせます!つまりは、冒険という破壊活動です。(笑)


ーーー


帰宅なう。イチロウです。今日は色々なことがありました。


「申し訳ありませんでしたわ。ついうっかり自分を見失って。」


ソールが正気に戻ると、冷静さが戻ったのか全員に謝りだした。僕としては、あの彼女の切実な願いは叶えて上げたい気持ちがあるため、夜の数時間分は2人きりにして欲しいと頼んだ所、その後は全員の相手をすることで手を打たれました。


さて、そんな現在ですが、『エプタ』の建国の決定と田畑の整地の終了という2つの大成を得たため、今日は大広間の方で祝賀会を開くことになりました。よって、彼女達にそれぞれの注文を聞いたところ、


「ガッツリしたものが食べたいから、しょうゆダレの唐揚げフルコースかなー。」


「それの塩ダレお願いします。」


ツカネ・アカネ姉妹はもう唐揚げマイスターだな。何処かの男性声優さんと話が合いそう。


「白飯のお供を10点ほど。」


「私もそれに1票。」


「白飯を大量にお願いします。」


チヒロさん、メルアさん、シャルティアの3人は今日も白飯について語るようだ。白飯ジャンキーズというチームでも組ませてみようかな。ホームランしか打たなそうだけど。


「濃い味付けの料理じゃ。」


シラユキはいつも通りと。


「むっ。何かコメントが少ないのは気のせいかのぅ。」


そんなことないよー。普通だよー。


さて、残りはソールとアウラだが、


「イーチーローウー。まさかあたしも忘れてないよな?」


あああ、忘れてた。スイカのことをすっかり忘れていた。


「スイカ様。私、行動している所をあまり見ていないのでてっきり失念しておりました。メイドとしてまだまだでございます。」


僕の代わりにメルアさんがケロッと答える。メルアさん、時々毒を吐くからなぁ~。


「ムキーッ。おい、お前。少し屋上へ行こうぜ...久しぶりに...キレちまったぞ。」


「スイカ様。ここに屋上はありません。庭ならありますが?」


スイカはメルアさんを連れて少しお話しに出かけていった。程々にするんだぞー。後はアウラとソールの特記狂力の2二人だが、


「姫の作るものなら何でもいいよ。それこそ、最初に毒見だってして」


「あなた様の唾液とか皮膚の皮とか爪の垢とか髪の毛1本とか」


笑顔を浮かべているが、後者の方は段々ヤバくなってきているので、強引に話を打ち切った。


僕はまず<創造魔法>で白飯を10000食分出す。ここの住民は白飯を飲み物のように食べるからな。特に、シャルティアはダントツの1位だけど。


次におかずだが、今回はビュッフェスタイルにしてみた。好きなものを好きな量だけ皿にとって食べるあのスタイルだ。唐揚げはもも、ササミ、ネック、手羽先いつものの4種に鶏トロと砂肝の新たな2つを解禁。


白飯のお供10点セットについては、|柴漬、キュウリのキューちゃん、牛肉のしぐれ煮の3つに納豆、生卵、キムチ、海苔の佃煮(蜜柑屋 しろめしですよ!)、ふりかけ3種(のりたま、おかか、たらこ)を準備した。


シラユキには、ハーネルおじさんのタッキー・フライド・チキン(TFC)の山盛りをプレゼント。


残りの3人については、取りあえず無難なオードブルものを。


「すごいね、姫。妹から聞いていたけど。それとこれが白飯かい?」


「流石ですわ、イチロウ様。白い宝石が生み出されましたわ。」


僕の<創造魔法>を始めて見る2人はテンションを上げている。これももう伝統芸能、郷土料理となっている。


「それでは、『エプタ』の建国の決定と」


「米の聖地の完成を祝して」


「「「「「「「「乾杯!!!」」」」」」」」


全員が一斉に皿とおぼんに向かって全力ダッシュをしている。


「ボクが先だよー。」


「いや。私ですぅー。」


「妾が先におぼんに手を触れていたのじゃ。」


早速、皿とおぼんの前で戦争が勃発している。皿に、


ドゴォーンッ!!


と、外から音が聞こえてくる。見てみると、スイカが山吹色の魔力を纏い、メルアさんの方は黒い犬耳と尻尾を出して闇属性魔法を繰り出している。


「オラオラオラ。<鬼百拳きひゃっけん>。」


スイカがメルアさんに100発の拳を叩き込んでいる。1発1発が


ズゴッ!


ドゴッ!


と、鈍い音を奏でている。


「<ダークフレア>。」


黒い炎がスイカへと放出されるが、スイカは酒を飲んで


「<灼熱酒気ホロ・ブレス>。」


オレンジ色の炎を出すことで対抗している。無論、庭は焼け野原になっています。後で、説教だな。


女神達と王女様達はその様子を眺めながら、いつの間にか食事を楽しんでいる。この風景を見る度に今までの異世界生活を思い出す。


全然冒険してねーじゃねえか。冒険要素ほぼないし、大きなイベントはランクアップ試験と特別試合と自国獲得の3つじゃん。このままでは駄目だ。明日は必ず、冒険者ギルドの依頼を受けて、冒険していくぞ。


「その前に私達の相手をして下さいね、イチロウさん♡」


後ろにいるヴィシュヌの言う通り、僕は明日を迎える前に全員に絞り取られました。


◇◇◇


(???視点)


とある国。


「プロスペリア王国での取引先が一斉に行方不明になりました。」


「ふっ。プロスペリア王国よ。我々の信仰の体現であるこの『レベル増強剤』の偉大さが分からぬとはな。」


「どうやら、彼らの国に最近、腕の立つ冒険者3名が現われたようです。その力は圧倒的で、彼らが今回の一件に関わっているかと。」


「そうか。ならば、そいつらを始末する必要がありそうだな。我々の御心を理解できない者は、不要!」


「「「「「全ては神の名のもとに!」」」」」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る