第50話 早速、To Loveる!
異世界生活8日目。何処かから祝50話!という声が聞こえた気がするが、気のせいだよね?
さて、今日から僕は!!王都で依頼を受けて紆余曲折を経て達成するという冒険者生活を本格的に行っていこうと思います。
1階いつものリビング。僕達は今日もチヒロさんの料理から1日を始めていた。献立は昨日のよせ鍋の余りものの具材で作ったスープ。目覚めの朝にはもってこい。だが、僕以外全員、その色を真っ赤に染め上げている。
原因はテーブルの上にある悪魔、キムチだれだ。ジュルルルと吸い上げるその様は、生き血をすすっている魔女そのものだった。
今、この豪邸では空前のキムチだれブームが巻き起こっている。
「不思議な調味料、いえマジックアイテムでしょうか。何にでもマッチしてしまいます。」
チヒロさんは今日も料理を食べては研究をしている。キムチって意外と万能だよね。
「ああ、温まるぅー。魔力が活性化しているのが分かるー。」
「汗が出てきました。うわ、目に入った。」
ツカネ・アカネ姉妹も体を温めてほっこりとしている。
「うわあああ。こぼしてしまったのじゃ。あああ、妾の高潔な純白が...純白そのものがぁぁぁー。」
シラユキはお皿をこぼし、尻尾を赤色に染めていた。ちゃんと左手で押さえて食べないからだよ。
「それで、今日の活動について」
ピンポーンッ
すると、この豪邸の呼び鈴が鳴った。一体、誰からであろうか?
「ここは私が応対しましょう。」
チヒロさんはそう言うと、玄関の方へと向かっていった。僕達は頭に『?』を浮かべながらもスープを飲んで待つ。なお、シラユキは急いで自室の風呂へと向かっていった。
数分後、チヒロさんが戻ってきた。ただ、その顔は少し不機嫌気味だ。疑問に思い、訪問客のことについて聞いてみた。
「不届きにも、開口一番『イチロウという平民を出せ!』と宣ってきたので、丁重にお帰り願いました。」
あーなるほど。訪問客は見事に、
「ちなみにその訪問客の外見的特徴を三行で頼む。」
「槍を持った豪華な鎧を着ていた男性が
『イチロウという平民を出せ!国王様直々のお呼び出しだ!』
とのたまいになりました。
...イチロウさん、赤ちゃんつくろ。」
デデーン!チヒロOUT!僕は非常に肝を冷やしていた。だってその人、王国の兵隊さんか騎士さんでしょ。このことは確実に、国王様に知られるからまた一悶着起こるって!何でこうも面倒ごとを起こすのが好きなのかなぁー?うちの狂戦士達は。
ぽっと三行を完全無視した挙げ句、訳の分からん四行目を追加していくチヒロさん。
「駄目だぞー。いっくんの赤ちゃんを最初につくるのはボクですぅー。」
「いいや、私ですね。第二婦人ですが、ここでは一番を目指しますよ!」
ギャイギャイ騒ぐツカネ・アカネ姉妹達。僕は頭を抱えながら、今日一日を向かえた。
◇◇◇
僕達は現在、王都に向かっている。メンバーは僕ことイチロウと、ツカネ、アカネ、シラユキの4人。チヒロさんはメルアさんと米作り関連で、席を外している。というより、これからはこの4人で活動することが多くなりそうだ。
だが、この時の僕は知らなかった。昨日創った漫画により、女神様~ズの凶暴化が加速していることを。
王都の門に到着した僕達『女神の家』。だが早速、門には王城からの刺客、騎士団が待ち構えていた。
「お前達に告ぐ。我がプロスペリア王国騎士団はお前達を反逆罪で捕らえる。平民が王家の誘いを断るなど言語道断!しっかりと悔いるがいいわ。」
あーなるほどな。これは、チヒロさんは怒るわー。だって明らかに見下している感満載ですもん。すると、隣から殺気がだだ漏れてくる。なお、シラユキは...どうやら騎士団の連中など眼中にないといった感じに僕の頭の上から静観している。殺気は漏れているが。
「何だと?お前達。お前達はもう黙れ。いっくんのことを喋るな。」
「平民だと?お兄ちゃんのことか...お兄ちゃんのことかぁぁぁ!」
ツカネは右手に黒い炎を発生させ、アカネは矢に白い光を
「召喚!<ダーク・フレイム・ドラゴン>。」
「<
ツカネの右手から発せられた黒い炎の龍が騎士団を蹂躙し、さらにそこに無数の光の矢が降り注いだ。
「「「「「「うぎゃあああ。」」」」」」
それは騎士団にとっては阿鼻叫喚の地獄絵図。回避する術など当然ない。
「「消え失せろ!二度とその面見せるなぁ!」」
姉妹だけあって息ピッタリに決め台詞を言い放つ。スカッとはするよ。でもね。
「門まで破壊する必要はないだろぉぉぉ。」
目の前には、黒焦げになった門と門の前の地面に無数の穴が空いた惨状。騎士団員はゴミのように捨てられていた。
「さて、いっくん。ここまで来たら殺ることは決まっているよねー。」
やるの字間違っていませんか?ああ、もうこうなったら後戻りは無理だな。
女神の家vsプロスペリア王家
との全面戦争を!
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