第46話 豪邸を探索しよう

(???視点)


「いよいよ。イチロウの旦那は居を持ったな。」


「そうですねぇ。でしたらそろそろ私達も参りましょうか。」


「ああ。どんどん造っていこうじゃないか。」


「はい。どんどん植えましょう。採りましょう。」


「それにしても武器神の奴、先に向かいやがって。」


「武器神だけではありませんよ、主人の元へと向かっているのは。これからもこの先もどんどん集まりますよ。」


「おうよ。そこにあたいがどんどんしていくし、あたいらみたいなでも快適に暮らせるようにしないとな。」


「フフフ。期待していますよ?」


2人の女性はそう言って、姿を消していった。


◇◇◇


前回、大きな意気込みを語ったイチロウですが、今日は豪邸の探索をメインにしたいと思います。いわゆる探索パートというやつだ。今日を過ぎれば丁度、異世界生活1週間目。昨日を土曜日、今日を日曜日とする的な感じで行こうじゃないか。


現在、私はこの豪邸の扉の前に立っています。ここから門の方を見ると、広い広いお庭があります。噴水はさすがに無いですが、シラユキが遊んだりするには十分な広さとなっていて、僕の目の前でシラユキが食後の運動をしている。


そして門の向こうは王都への道とブレッシングリバーへの道の2つがある。だが、何故かブレッシングリバーの方には鉄柵が置いてあり、先に向かうことが出来なった。一体何故?


◇◇◇


鉄柵の向こうにあるブレッシングリバーの川瀬。そこには、ぞくぞくと女性達が集まっていた。


「米星!」


「「「「「「「「米星!」」」」」」」」


忘れましょう。これ以上は何も言えません(洗脳にゅうしんさせられるため)。


◇◇◇


次は豪邸の中。扉を開けると玄関が広がっていて、天井からシャンデリアが吊されている。ここは1階で、地下に続く階段と2階に続く階段が左右にある。奥には2つの扉があり、1つは応接間。もう1つはリビングとなっている。


応接間には、暖炉、テーブル、100席の椅子の3点セットがあり、お茶を出す際はリビングから運び込まれる仕組みとなる。後、広い。


リビングには応接間のものより一回り小さいテーブルと椅子があり、キッチンもしっかりと設置されている。ここで、料理神であるチヒロさんが様々な料理を振る舞うことになるのだ。


地下へと進むと、そこは巨大な空間が広がっていた。いや、これはたまげた。工場2個分くらいには広いんじゃないか。ここで、調味料、菓子、酒などを作って保存するのもありだな。そして一つの部屋を覗くと、今日も酒を飲んでいるスイカ。<創造魔法>で創った酒を飲んで、どのように醸造するのかを考えているらしい。彼女は基本、酒とベッドがあれば文句はないらしい。


2階には、昨日まで絞り取りが行われた寝室と各住民の部屋がある。各部屋にはバスルームも付いている。これで毎日、風呂に入れる。やったぜ。僕も普通の部屋の1つでも選ぼうとしたのだが、女神達と王女様の満場一致で寝室を僕の部屋にさせられた。畜生。ここでも強制イベントかよ。解せぬ。


最上階の3階には、円状の部屋が広がっていた。ただの展望部屋ですな。大きな窓が張っていて、ここからペア岬やブレッシングリバーの景色を一望できる。川には今日も沢山の女性達がいて、川遊びを楽しんでいる。ああ、なるほど。覗き防止のために鉄柵がたっていたのか(違います!)。なら、納得だ。


しかし、この部屋についてはどうしようか。このままだとただの余り部屋になってしまう。何かリラックスした空間にしてみたい。そうだ、あの部屋にしてみよう。確か<創造魔法>は単純な造りの家までならギリギリで創れるらしいから、家具みたいなものなら範囲内のはず。


「<創造魔法:窓下書架>。<創造魔法:大型本架>。」


すると、木で作られた書架や本架が創られる。いよーし。図書館でよく見たことのあるやつだ。なっつかしい。


...そうだな。1部屋くらい、前の世界の雰囲気くらい創ってもいいよな。お父さんとお母さんによく連れて行ってもらった図書館をここで再現して...。


探索を終えたこともあり、<創造魔法>で床置書架、テーブル、椅子をいくつも創り、記憶をたよりに<剛力>で運んでセッティングをしていく。配置すればするほど記憶の中の風景と合致していき、遂には見事な図書室が目の前に広がっていった。


後は、ここに色々な本を入れていくだけなので、様々な小説や漫画を作成していくことにしたが、少し不安がよぎる。漫画は<創造魔法>で創れるだろうか?あれはインターネットほどではないが、絵の内容とかは複雑だから創れないかもしれない。


(そこでお困りのイチロウさんに朗報です!)


うお。びっくりした。誰かと思えば、ヴィシュヌさんではありませんか?


(あ、今『さん』付けしましたね。罰として、今夜の搾取量を1年分から2年分に増量します♡)


うわ、しまった。


(話を戻しますが、イチロウさんはレベルアップしたので、漫画や小説も創ることが可能となっています。ただ、インターネットとかスマートフォンとかの最先端テクノロジーや機械は創れませんが。)


つまり、本関連についてはほぼ創れると。


(ほぼというより全部ですね。ですが、そろそろ昼時になるのでリビングに行くことを勧めますよ。では。)


通信はそこで途絶えた。一先ず僕は、リビングの方に向かうことにした。

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