2部 特別試合と『エプタ』建国

第45話 これからの活動について

[追記]冒険の目的を、各地での白飯の普及に変更!


ーーー


異世界生活6日目を飛ばして7日目の朝。ベッドから起き上がり、しっかりと体を伸ばす。


え?6日目は何をしていたのかって?その日はずっと、寝室から解放されずに、ずっと6人のゴッドモンスター(属性は性)と1人のサキュバスに絞り取られ続けました。食事も飲み物も全部口移し。お花を摘む時は<ワープホール>。試しに『用事を思い出した』作戦を実行すると、チヒロさんやメルアさんに頬の汗を舐め取られ、


「この味は!...ウソをついてる『味』ですね...イチロウさん。」


と嘘を見破れて、さらに絞り取りの勢いを増すという逆効果ぶりを発揮されてしまいました。うん。今度から嘘をつくのはやめよう。ツカネには相変わらず、心も読まれるし。


横にはスヤスヤと寝ているシラユキの姿。彼女のモフモフな尻尾が枕として機能してくれたおかげで、快適な眠りをおくれて...いませんでした。


なぜなら、眠ると地獄の時間がやってくるからです。あの白い空間(通称、ヴィシュヌの部屋)に呼び出され、ヴィシュヌとの濃密な逢瀬(強制)を彼女が満足するまで味わわされるのです。なお、全能神様と呼んでいると、


「もう私達はあそこまでしちゃったんですから、もう呼び捨てで呼び合ってもいいよね?なのにどうして全能神様と呼ぶのかな?かな?」


とハイライトオフのコバルトブルー色の瞳で迫られたため、今は呼び捨てで呼び合っている。


精神と時のなんちゃらみたいに時間は操作されるため、一週間も一ヶ月も一年もそこで過ごしても、目覚めたら通常通りに一日を迎える。つまりは、タイムアップという逃げ道は封じられている。


ならば、『逃げるんだよォ!イチローウー』で部屋の出口に向かおうとしても、いつの間にかヴィシュヌの前に戻されてしまう。まるでエジプトの某上院議員が車の中に戻されるように。


以上から、ヴィシュヌとの時間を回避するには眠らないという方法しか手はないのだ。もうここまで来ると、猿夢ものだわ。


ただ唯一の救いはキスや絞り取りが始まると、そのあまりの気持ちよさに時間を忘れてしまう点だ。一旦始まってしまうと、すぐに心の中の恐怖が消え、何故か僕の方から求めてしまう。あの魔性の唇と絞り取りのテクニック。あれに依存してしまうといよいよ終わってしまうだろう。


朝8時。僕は1階のリビングルームに座っている。ここには、『女神の家』のメンバー(僕、ツカネ、アカネ、チヒロさん、シラユキ)の5人がいる。メルアさんと王女ズは基本的にはおうじょうぐらし!なので、ここの豪邸の住民は現在、スイカを含めて6人である。なお、スイカについては地下のとある部屋で寝ているらしい。神しかいないのか?ここは。


「今日からどうする、いっくん?」


最初にツカネが口を開く。正直に言って、冒険は決まっているのだが、明確な目的がない。この王都には、ランクアップ試験を受けに行くという目的があったのだが、それは2日前に消化したのだ。どうするべきか?また、ダンジョンに...。いや、もう最難関ダンジョンのラストモンスターを倒しちゃったからなぁ~。いや、本当にどうするべきか?(重要なことなので2回言いました)


「それでは、イチロウさん。ここからは全能神様の使命を中心に取り組むのはいかがでしょうか?ここまではいわゆる準備です。むしろここからが本番だといっても過言ではありません。」


今日の朝食を持って来るチヒロさん。献立はレッドボアの生姜焼きと僕の<創造魔法>で創った白飯と王都で売っている野菜を使ったサラダである。なお、生姜焼きについては<創造魔法>で創ったオバラの生姜焼のたれを使っている。うん。今日も美味い。


「チヒロさん。『ここからが本番』とはどういうことですか?」


アカネがチヒロさんに聞き返す。


「そのことについて説明していきます。」


チヒロさんはどうやら、メルアさんとともに白飯に関する活動を進めているみたいで、2人によると次の活動候補を出していったという。


1.このペア岬の間の土地で米作りを行い、ここを中心に世界中へ白飯を広める。

→白飯の普及と主食化


2.白飯のお供を作っていく。

→料理神のプライド


説明が進行する度に、『女神の家』の面々は段々前のめりになっていく。それにしても、ここの豪邸を選んだ理由が『ここの土地が米栽培に適しているから』だということには衝撃を受けたよ。確かに言われてみれば、この土地は生前の田舎の環境とどこか似ている。


「ボクは魔法をバンバン使えれば文句ないかなー。」


「私はお兄ちゃんとお姉ちゃんが一緒ならば。」


「妾は婿殿と常に一緒じゃ。」


僕とチヒロさん以外の3人の意見も取り入れ、朝ご飯を食べながら決めた『女神の家』の活動目的は次のように決定した。


1.『女神の家』の特産品兼資金源として米を栽培する。

→チヒロさんとメルアさんに任せて欲しいと言われたため、2人に託すことにした。


2.各国を回り、白飯の普及化を図る。

→ギルドの依頼とセットで行っていく。


そのためにはまず、この王国で僕達の活動を認めて貰うことから始めよう。


◇◇◇


「ファースト米よりセカンド米。イチロウさんから米栽培の許可をいただきました。」


「了解です。ファースト米。今日中にILLROの人員を集め、明日から土地の整地を開始いたしましょう。」


「それと現在、女性冒険者について更に50人ほど入信させるメンバーに加えることに成功しました。これにより、ILLROのメンバーは100人を突破しました。」


「全てはイチロウ様のため。米星!」


「米星!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る