第20話 ウォーキングついでの魔物討伐
僕達は現在、王都に向かっています。本当は<創造魔法>で車とか自転車とか作っても良いのだけど、折角なのでぽかぽかな陽気の中でウォーキングを楽しんでいます。
「何だかとっても楽しいですね。色々な木々が鬱蒼としていて、弓の練習にもってこいです。」
鬱蒼とした木々。
「日があまり射さないから暑くないねー。」
日光の射さない暗い雰囲気。
「色々な
bgm名は魔物のうなり声。
「というか、何で舗装路では無く森の道を歩いているんだよー。」
訂正。僕達は絶賛、真っ暗な森の中を歩いています。違う。想像していたものとは全然違う。
「だって、ここを通った方が最短で王都に着くんだよー。途中で魔物を狩ってお金も稼げて一石二鳥じゃーん。何が不満だって言うのよー。」
安全性が危険レベルなんだよ。僕が思っていたのは、安全な道を選択したが、そこに盗賊とか想定外の魔物とかが現われてどこぞのお姫様を救うというある種のテンプレ展開なんだよう。
なのに今はどうだ?魔物は一向に目の前に現われずにただ森を歩いているという何の味気もない移動になっているじゃないか。
「じゃあ、呼びますかー。<挑発>。」
違う、そうじゃない。現われないなら引きつければいいということじゃない。あーもー魔物がどんどん現われたぁ。
レッドボア×10
HP 1000/1000
MP 1000/1000
攻撃力 1000
防御力 1000
赤色の肌をした豚。食用可能。討伐部位は牙。
スライム×10
HP 10/10
MP 10/10
攻撃力 10
防御力 10
粘液状の怪物。食用不可能、討伐部位は核。
リザードマン×10
HP 800/800
MP 800/800
攻撃力 800
防御力 800
硬い肌が特徴のトカゲ。その肌は素材として取引されている。討伐部位は尻尾の角。
「あらまぁ、レッドボアではありませんか。あれの肉はとても美味しいので、私に任せてもらえませんか。」
「火が付いたねー。」
「エンジン掛かりました。」
良し。ならば、僕はリザードマンの方を狩ろうか。<魔装:ウインド>により風の魔力を纏った神剣を構える。一方、あの姉妹は
「何でボクがスライム討伐なのー。あんなの魔法1発で終わるじゃーん。リザードマンとかレッドボアの方がいい。」
「駄目です。お姉ちゃんに任せると素材がボロボロになったりズタズタになったり炭になったりするじゃないですか。」
「そんなのいくらでも<創造魔法>で創るからいいじゃん。ルールにも書いてないしー。」
「それを世間では捏造と言うんです。ここは神界とは違うんですよ。なので、我慢して下さい。終わったらお兄ちゃんに1分間自由にしていいですから。」
ダニィッ!?
「まぁ、それなら我慢するよ。」
「ウフフ。私もそれに参加してもいいかしら、イチロウさん。」
ちょっと!?勝手に決めないでってもう討伐を始めていらっしゃる。チヒロさんの手にあるものは、包丁。
「今日の昼はレッドボアのステーキでいきますね。」
それを一振りしていく毎にレッドボアは輪切りにされていく。断面は一切のブレなく綺麗な切断面に仕上がっている。チヒロさんのレベルはどれくらいなんだろう。鑑定。
チヒロ 25歳 女
レベル:250
種族:料理神
[能力値]
HP:250,000/250,000
MP:250,000/250,000
攻撃力:250,000
防御力:250,000
[スキル]
<火属性魔法 LV.10>、<水属性魔法 LV.10>、<風属性魔法 LV.10>、<土属性魔法 LV.10>、<最上級調理術>、<万能>
[固有スキル]
<料理神>
[好感度]
100,000,000,000,000,000,000/100
上級神なだけあってレベルも能力値も桁違いだ。けれど、好感度はツカネよりもさらに高いことについては目をつぶるしかないが。
「<エクスプロージョン>。」
ツカネの方はスライムを一カ所に集めて爆発させた。や...やめて下さい!スライムの核がぁぁ!!スライムの核そのものがぁぁぁ!!!
グオオオ!
リザードマンの爪が頭上から振り下ろされる。僕はそれを<見聞>でかわして、首を切断していく。2体、3体、...どんどん首チョンパしていく。切り損ねた個体には、アカネが矢で心臓部を正確に撃ち抜いていった。
レッドボアについてはチヒロさんに任せるとして、僕はアカネとともに解体用ナイフで皮を剥ぎ、アイテムボックスに入れていく。革製品にはもってこいだ。
スライムの核は、もう諦めよう。塵も残さずに消えてしまい、もはやスライムに同情してしまう。
「さーて、いっくん。約束通り1分間自由にしてもいいんだよねー。ボクもう我慢できないからー。」
「ウフフフ。それじゃあ、スキンシップを始めましょうか。」
あ、そうだった。そういう取り決めだったっけ。ジリジリと近づいてくる2人の女神達。アカネは両手を合わせてこちらを見ている。
「それじゃ、いっくんいただきまーす。」
一番手はツカネ。開幕から全力全開で舌を差し込んでくる。
「ん~!?」
長く感じるようなキスを終えると、二番手へと映る。
「先を越されましたね。では私も。イチロウさんの唇の味見をしますね。」
チュルッチュパッ
チヒロさんの方はねっとりと味わうようなキスをしてくる。これはこれでドキドキする。
「ふう。ご馳走様。今までに味わったものの中で極上の一品よ。」
唇を離すと、艶めかしい感じでコメントする。これが大人の色気というものだろうか。刺激が強い。
この後、アカネも我慢できないとばかりに唇に吸い付き、1時間程、3人からのキスの嵐に巻き込まれた。
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