第3話 薄気味悪さ

金が全然がない。


今後も勇者ごっこ、聖人様ごっこ続けていくにはとにかく金が掛かる。


今はとにかく金だ。


食事を済ませて、私達は王国城下町の巨大噴水前に集合した。学者連中は既に転移魔法の魔方陣作り終えていた。

荷馬車が数台。


他の学者連中の何人か集まっているようだ。


魔術師と魔導師違いが良くわからないが、学者とは違う者もいるようだ。



色々気になることはあるけど、いちいち聞いていられない。


この世界での転移魔法は、膨大な魔力が必要になる。したがって、大勢の魔法使いが必要になってくる。


一人の人間から出せる魔力はかなり少なく、負担を掛けすぎると死んでしまうこともあるようだ。


強制転移で連れてこられた私には大した魔法は使えないし、どのくらいの魔力があるかもわからない。転移得点で魔法使い放題なら良かったのだけれど…そんな都合の良い話しとは無縁のようだ。


「準備が整いました!残るは…」


魔力がどこまでもつか…死人がでないことと願う。


私のパーティーメンバーも同じ魔方陣の上に立っている。魔法を使わなくても、多少なりとも魔力を失うことになるかもしれないそうだ。私にチート級の魔力があれば誰も危険な目に遭わせる事は起こらないのだけど。


他の異世界や転生者がどこで何をしているかわからないが、もう少し難易度低めの世界であってほしかった。


目を閉じて、呼吸を整える。

あまり余計なことを考え転移魔法に影響がでても困るし、今は目の前の仕事に集中しよう。


少しづつではあるが、気だるい感じになってきた。魔法使いたちの顔色が優れない。

パーティーメンバーも少しずつ影響が出てきているようだ。


早く終わらないだろうか。詠唱術式とやらがやたら長く感じる。


少し寒気も出てきた。荷馬車の中には防寒着が入っていると学者が行っていた。


転移先はこの惑星の反対側。切り立った氷の山らしい。私はまだ観たことはないが、広大な美しい世界が拡がっているらしい。


人を寄せ付けない冷たく険しく残酷な世界。


ちょっとしたハイキングみたいなものだろう。



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