第6話「トカゲのお姉さん」
…ここは王宮。和の国にある中心となる場所
和の国の王は九尾の狐でありその王になった時間がとても長い。九尾の狐だから長生きでありその姿はとても美しい
王の間で九尾の狐、アイと言う王は座り、その間にてセレナはいた。セレナはお辞儀したままであった
アイは言う
「…セレナ。貴女はこれからも親衛隊隊長を務めるように。王からの命令です」
そう言うとセレナはお辞儀したまま言う
「ははっ。アイ女王」
その言葉を聞くとアイはふと思ったことを言う
「セレナを親衛隊隊長にして早3年。先代の親衛隊隊長が突然死んでしまい貴女を任命しました。最初は心配でした」
ここまで言い、アイは一呼吸置いて再び言う
「でも、貴女は大変よくできてます。何かあっても貴女は何事も動じず部下達を指示しました。その時点で親衛隊隊長に向いています」
再び一呼吸置いて言う
「だから、これからも貴女は親衛隊隊長でいてください。これは私からのお願いです」
ここまで言うとセレナは元気よく言う
「ははっ!今まで以上に私は隊長を務めてみせます!」
元気そうな声を聞きアイは嬉しそうにセレナの顔を見る。話が変わる
「ところで…貴女の恋人さんは元気?」
そう言うとセレナはすぐに答える
「はい。とても元気でいます。いつもイチャイチャのラブラブでございます」
王の前に変にカタカナ語を言う。しかしアイは笑顔で話す
「恋人さんと仲がとても良くてよかったです。9歳年下と言えど、年の差は関係ありません。仲がいいならそれで良しです」
四季とセレナは付き合ってることを部下はわかってるし王もわかってる
「では、下がりなさい」
「はい」
そう言うとセレナは王の間から離れた。とても良き親衛隊隊長。九尾の狐アイが信頼するのも当たり前であった
「ああやって…幸せそうにしてるのは嬉しい限りですね…」
17時。四季は早く帰ってきた。玄関を抜けてリビングへ。今日はまだセレナは帰ってないのか
そう思い荷物をテーブルに置く。今日は何を作ろうか。考えていたら突然インターホンが鳴る。おや、配達だろうか?
荷持を置いて玄関へ。玄関のドアを開けた…そしたら四季はいきなり驚いた
あまりにも大きい獣人がいたからだ。いや、獣人とは言えどこれはトカゲの獣人だろう。身長があまりにもでかかった
少しだけ動揺していたらトカゲのほうから喋ってくれた
「…ここの家の主人か?」
身長がでかいからその声はハスキーボイスだった
「は、はい」
四季がそのトカゲの獣人をざっと見ると身長がでかい割にはスレンダーな体つきであり、胸もそこまで大きくはなかった
セレナ、ミア、ネルと胸の大きい獣人を見てきたから胸が小さいのは意外と珍しいかもしれない?むしろ胸が大きいのに慣れてしまっている
だが気になるのは身長。これはセレナ以上の身長に違いない。そう思った
「こんにちは。昨日隣に引っ越してきたものだ。私の名前は荒川オパール。トカゲの獣人だ」
「オパール…」
その一言を言うとオパールはかすかに笑う
「ふふ。珍しいだろ。宝石の名前だなんて。昨日隣の家に来て荷物などがあったから行けなくて今日来たんだ」
黄色い瞳にオレンジ色のロングヘア。体は黒くまるで黒人だ。太陽の光は平気なのだろうか?
この国というか獣人特有というか軽装な格好をしている。だがスレンダーな体つきは少しエロく感じる
「オパールさんよろしくお願いします。僕は宮田四季と言います。人間です」
人間というとオパールはまたかすかに笑う
「わかるよ。君が人間だというのは。誰か同じく住んでる人がいるのかい?」
質問に答える四季
「はい。セレナっていう狐の獣人と暮らしています」
「そうか。てっきり一人暮らしかと思ったよ」
まるで耳に残るようなハスキーボイスで四季を見ながら言う
「…ところで君は…体つきが細いお姉さんは好きかな?」
…ん!?なんか経験したことある言い草!?
「え!?いや、まあ…」
四季はしどろもどろに発言をする。オパールは言う
「私は191センチも身長があって体は細いし胸は小さい。おまけに29歳とそろそろ三十路だ。だが君なら…うふふ」
…えーと。これは完全に誘惑ですね。四季は思った。オパールの黄色い瞳がじっと四季を見ていた
「あ、あの!僕さっき言ったけどセレナがいるので!」
慌てて四季はセレナの存在をもう一度アピールした。だがミアとネルといるためなんとも説得力ない言い方であった
「なるほど。でもそのセレナって人もこういう誘惑は別にいいのだろう?」
マジで何言ってるんだこの獣人!
「あの~!つまりその~!」
早く帰ってくれないだろうか。しかしそんな状況の中助け舟があった。セレナともうひとりの獣人だった
「四季。ただいま」
「四季よ!私は来たぞ!」
セレナと前に会ったフレイである。四季は2人を見てオパールは後ろを向く。オパールが反応する
「おや?フレイじゃないか」
「おお!オパール!こんなとこにいてどうしたのじゃ?」
ん?フレイとオパール?もしかしたら友達なのか?その疑問はセレナが言ってくれた
「あらフレイ。今いるトカゲの人と知り合いなの?」
「知り合いも何も私の家にちょくちょく来る親友じゃ!どうしたのだオパール?」
そう言うとオパールは説明する
「私はこの四季の家の隣に引っ越してきたんだ。良かった知り合いがいて…おっと初めての人いたね。私は荒川オパール。トカゲさ」
オパールは言うとセレナは反応する
「はじめましてオパール。私は姫川セレナ。よろしくね」
そう言うとオパールとセレナは握手をした。ほっ…一旦謎の誘惑は終わったか。四季はそう思った
「ところでセレナ。フレイさんと一緒だったんだね?」
「ええ。実はフレイが王宮に来てね。たまに一緒にいましょうってことでここへ来たのよ」
そうだったのか…。オパールは再び四季へと向く
「もしよかったら夜一緒にいよう」
「は、はい…」
「私もお邪魔するのじゃ」
なんだか一気にドタドタと来た。四季は今晩のごはんどうしようかと悩んでいた
「…いや~!お主といるとやはり気が合う!ほらどんどん飲め」
「ははは!フレイもあまり飲むなよ」
「貴女達ほんと仲良いのね~!」
3人は飲んだくれしてて四季は料理を作っている。ミアやネルがいた時のように料理を振る舞おうと思っていた
ぶっちゃけセレナだけでもフレイとオパールがいてもあまり関係ない。酒盛りはあっちに任せて料理している
「全く相変わらずフレイは胸でかいな。しかもセレナもでかい。私なんぞどうして胸が小さいんだ」
「ふふふ、それぞれの獣人の体つきじゃ。トカゲは基本的にはスレンダーだという種族らしいのう」
「そうなのフレイ?」
そう言うとフレイは酒を一気に飲んで言う
「お主のように狐の場合だと胸は大きい。だが爬虫類だと胸は小さくなる傾向になるのじゃ」
へえ。それを聞いたセレナと四季
「むむむ…胸が大きくなるように誰か私の胸を揉め」
「断るのじゃ」
「そう言うと思った!」
オパールは怒っている。しかしセレナは何事もなく言う
「そうなのね~。じゃあ牛乳でも飲んで胸大きくしましょう」
「飲んで実践してたらなあ…」
オパールはつぶやく。フレイはニヤニヤ笑いつつオパールを見ていた
食事を終えて玄関。オパールは帰るそうだ
「帰るんですか?オパールさん?」
四季がてっきり泊まるかと思った
「ああ。また会おうな。四季。これからもよろしく。ついでにフレイ。あまり四季を困らせるなよ」
「何を言っておる。じゃあな」
そう言うとオパールは静かに玄関のドアを開けて…閉めた
残った四季、セレナ、フレイは帰るまでしっかり見ていた。フレイが言う
「そろそろ寝ようぞ。四季、お主のベッドに行くぞ」
「う、うん」
そう言うと3人は寝室へと行く
ベッドで真ん中に四季がいて隣にセレナ、フレイといる。やっぱり胸のでかい2人がいて四季はまたもんもんとしてしまう
前はミア、ネルといたがフレイもフレイでなかなかの巨乳だ。しかしセレナは当然嫌がることはなかった
「のう、四季よ」
「何かなフレイさん」
フレイがそう言うと更に続けて言う
「お主のことがとても気に入った。だから支援してあげたいと思う。何か必要なものはないかの?」
うーん…。突然支援と言われても何が欲しいかはあまり決まってなかった
「なんでもいいのよ四季。お金でもいいのよ」
ええ…それはちょっと…という顔をする。しかしフレイは言う
「大丈夫じゃ。私のポケットマネーでお主達を支援できるぞ。だから気にせず何か言ってほしいのう」
そういうのなら甘えていいかもしれないが…
「わ、わかった。じゃあお金…でいいのかな」
「よし。なら後日になるがお主達の家に入金させておこう。これでいいな?」
「良かったわね四季」
「う、うん…」
まさか後で利息のある入金ではないだろうか。だがフレイの顔を見るとそんなあくどい顔はしてなかった。本当に優しい顔をしていた
(ミア、ネルさん、オパールさん、そしてフレイさん…僕…こんな幸せでいいの?)
その言葉は決してセレナにも向けなかった言葉だった
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