第7話「猫のメイド長」
「新発売~!この美味しさ!私も大好きです~!イエローバナナジュース!シンプルでっ!いいでしょ!」
…朝、そんなCMを見ていた。出演してる獣人はとてもキレイな顔立ちをしていてまさにテレビ向け。と言った獣人だった
その獣人はオオカミ属で白い、何もまじりの無い美人なオオカミの獣人だった。その姿はとても清々しい
四季とセレナはそれを見ていた。四季は思ったがあまりにもキレイな顔であり思わず見惚れるように見てしまった
はっ!CMが終わり番組になった時点で気づいた。何を見惚れるんだ。見惚れるならセレナのほうを見たほうがいいだろうが
四季はセレナの顔を見る。ちょうど目が合った。セレナは何か言うのだろうか?彼女の口が開いた
「さっきのCM、細木サラナちゃんね」
「そういう名前なんだ?」
四季は芸能人にはあまり興味が無いため名前を知らない。セレナは意外と知ってるらしい。四季は言う
「よく知ってるね?」
そう言うとセレナは説明する
「実はね。私とサラナちゃん、同級生なのよ。だからアプリでよく話しているから…ほら、見て」
セレナはスマホからアプリを見せつけた。確かに会話してるのはさっきのサラナであった。アイコンが自撮りそのままの姿だった
「へえ。そうなんだ」
「このオオカミ属っていうのは基本的にイケメンか美人しかいないっていう種族よ。とても優遇されたオオカミ属なの」
イケメンと美人のみ…極端だろうが言ってることは本当なのだろう
「でもセレナだって美人じゃないか。僕はセレナが美人だって胸を張って言えるよ」
色々とハーレム状態になってたがセレナが一番だと四季は思って言う。セレナは喜ぶ
「うふふ!ありがと!」
笑顔になって喜ぶセレナ。そうそう。そういう君が一番なんだよ。と四季は思った
「同級生ってことはセレナの年齢は同じなんだね?」
「ええそうよ。同じ28歳。あまりスキャンダルも無い、とても良い性格をした子よ」
なるほど。性格が良いのか。なら僕と一緒に…
…はっ!何を思ったのか。『僕と一緒に』とはなんだ。ハーレムが良すぎてまた新しい人を作ろうとしたのか。自分で反省する
だいたい前からハーレムができて僕はちょっと調子に乗ってるんじゃないか?セレナがいるのに…
そんなことを考えていたらセレナは言う
「どうしたの?」
「ううん、なんでもないよ」
そう言いながら2人は食事をする
「…じゃあね四季。しっかり働くわ」
「うん。僕も頑張るよ」
別れ道にて四季とセレナは別れた。それぞれの仕事場に行くためだ
四季はセレナの後ろ姿を見ていた。凛々しい姿で美人であるセレナ。そんな人をもらって幸せである
彼は歩き始めた。ここ数週間で色々と会ったなあとは思う。ほぼ全員美人だ
まずミア。ストーカーされたが全然悪気が無くつくしてくれそうな人だ
ネル。未亡人だからと言って四季のことを好きになっている、そんな胸の大きい人
フレイ。喋り方はあれだが四季が好きだからと言って支援もしてくれた。ありがたい人である
オパール。まだ会ってから日にちが経ってないがとても良さげな人だ。スレンダーなのもなかなか良い
ミア、ネル、フレイ、オパール。それぞれ違ってみんな良い。だからこそ大切にしたい。セレナを優先として
そんな思いで四季は歩いた
昼の王宮の室内。ここでは色々と働く人たちがいた。セレナもその一人である
今日は何事も無く専用の室内を抜けて王宮内を歩いていた。おや、ちょうど宮殿の真ん中に集まっている人達がいる
和装メイド達だ。和装なのでただのメイドではない。そこで命令をしてるメイド長がいた。セレナと仲がいいメイド長だ
そのメイド長は猫のメイドで部下達は獣人と人間が混ざった人達だ。命令が終わると一息つく
「ミリア!」
そう言うとそのメイド長、皆木ミリアが振り向いた
「どうもセレナさん。ここで何してます?」
「ううん。ただの散歩。聞いてたけど色々と命令がわかりやすいわね」
ミリアは笑顔で言う
「そうでもないですよ。わたくしは先代メイド長にはまだまだ及ばないです」
このミリアという猫の獣人。模様が虎柄の猫であり胸が大きくとても冷静でメイド長ながら愛される獣人である
身長はまあまあある。目の色は緑だ。それでもセレナ以下ではあるが。おしとやかな人。という認識である
王宮の和装メイド達は女王直属のお手伝いさん。そのまとめ役がこのミリアという存在だ。ミアと名前がちょっとだけ似ている
元々ミアもミリアも友達だ。セレナの関係する友達は色々つながっているため赤の他人というのはあまりない
「貴女がメイド長になって3年…私と一緒だからついつい友人感覚で話してしまうのよね」
「はい。とても嬉しいです。でも未熟な部分はあります」
そうは言っても笑顔を絶やさない人であった
「ねえ貴女は今日は夕方暇?」
「はい。そうですが」
「もしよかったら私の家に来ない?彼氏がいてそれはまあ人間でイケメンだから。きっと気に入るわ」
「いいんですか?そしたら喜んで行きます」
その約束をしていた
17時過ぎ。先に四季のほうが帰ってくる。うーん。今日もしっかり働いたなあ…そう思った
今日は誰も来ない?しかしセレナのことだ。多分誰か連れてくる人はいるだろう。そろそろ人間の女性が恋しくなってきたような気がする
だが今更欲望は言わない。数人にこんな幸せにされるのは僕だけだ。ハーレムも悪くないとは思いつつある
ちょっと経つと玄関のドアが開いた音がした。間違いなくセレナである。四季は迎えに行く
「おかえりセレナ…?」
セレナの横に猫の獣人がいた。ミリアだった。セレナは言う
「ただいま四季。こちらはね、ミリアって言ってメイド長なの。今日行きたいっていうから来たのよ」
そう言うと普段着のミリアはお辞儀をして発言する
「はじめまして四季さん。わたくしは皆木ミリア。王宮でメイド長をさせてもらっています。どうぞよろしくお願いします」
四季はミリアを見た。また胸の大きい獣人が来た。緑色の目を見ていた
「ミリアさんはじめまして。四季って言います。すごいですねメイド長ですか」
メイド長というのがすごいのかそう言った。ミリアは恥ずかしそうに言う
「いえいえ。まだメイド長しては未熟…日々勉強の毎日です」
そうなのか?少々引っ込み思案なのだろうか。メイド長になれたものでもすごいことなのに
「さ、あがって」
「はい。お邪魔させていただきます」
そう言うと2人は玄関を抜ける
リビングでゆったりと3人はいた。四季の隣にセレナが。その対面にミリアがいた
四季は思ったがこのミリアという猫の獣人。とても可愛いと思った。もちろんセレナが一番可愛いとは思っている
…あ~そういえば今日は肩がこることが多い仕事だったなあとは思い失礼ながら四季は肩をとんとんとした
その行動を見逃しはしなかったミリア
「もしかして…凝ってます?」
「はい。今日は重たいものをよく持ちました」
そう言うとセレナは言う
「あらちょうどいいわ。ミリアってね、マッサージが上手い人なのよ。肩もみしてあげたら?」
「そうなの?じゃあ早速だけど…」
「はい。かしこまりました。ご奉仕させていただきます」
ご、ご奉仕…言い方がちょっと…ミリアは言うと四季の後ろに行き、肩を揉んだ
もみもみ。とんとん。もみもみ。とんとん。むにむに。とんとん…
四季は肩の凝り具合がどんどん消えていったのがわかる。この人すごい上手い。それを実感できるほど肩が治ってきた
だがこの人もそうなのだろう。胸が当たる。セレナの周りの友人って胸でかいのが多いね…そう思った四季だった
さすがに胸が当たるのは慣れた…と言いたいがやはりそれは男の性か。少しだけむらっとしてきた
そう感じてるといつの間にか終わっている。四季は実感した。肩が軽くなった。これはすごい技術である
「…肩の凝りが無くなりました!」
「よかったです。わたくしの肩もみ、いかがですか?」
「はい!最高です!」
「それはよろしゅうございました」
そう言うとミリアは元の場所に戻る。元の椅子に座ったらちょっとだけうつむいて目をつぶっている。四季は言う
「ど、どうしました?」
言われるとミリアはかっと開眼して突然叫ぶ
「…ああもう!!こんなイケメンを放っておけないわーー!!こんな素敵な男性初めて良かったと思ったわーー!!」
唐突にどうしたのだこのメイド長!?四季は慌てるがセレナは至って普通だった
「あ。たまにあるミリアの本音。実はこれがミリアの本当の性格よ」
「え、ええ…」
これがミリアの本当の性格。想像だが今までメイド長としておしとやかな性格してたが本当はこういう性格だったとは…
「セレナ!この四季くん!とても素敵すぎてたまらないわ!私も四季くんを好きになるからね!」
…そして僕はまたハーレムというのを実感するしかないのか…これで何人目でしょうか?セレナは涼しい顔で言う
「あら~。いいわよ~。よかったわね四季」
「う、うん…」
結局そんなミリアは本性を見せて帰っていった。どうやらいるとこれ以上のことをしでかしそうで困るとのことだった
まあ別にいてもいいのだが本性がああなのだから体と精神に毒なのだろう。帰るときに四季にウィンクして出ていった
久しぶりに訪れた2人だけの夜。料理を作り、セレナに出して、2人で喋っていた
「…久しぶりだねセレナ。2人だけの夜だよ」
「うん。いつも騒がしいのも好きだけど、やっぱり貴方といる夜が一番だと思うの」
セレナが食べながら笑顔を作り言う。美味しいと思っているのだろう。四季はその笑顔が好きなのだ
「ずっとセレナを好きでいるからね。色々と誘惑されたけどセレナが一番だから」
「嬉しいわ。私も四季と一緒にいるのが嬉しい」
「あはは」
「うふふ」
2人は笑顔のまま夜を過ごした
四季に5人もの獣人に求愛された。今後はどうなっていくのだろうか…
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