第八章 別れ 2
「うえっ・・・うぎぃえーん・・・・」
僕の泣き声が公園に響いていた。
何人かの小学生が何ごとかと、遠巻きに見つめている。
中学三年生なのに、人目もはばからずに号泣していたからだった。
吉川さんは何も言えず、僕の泣き顔を見つめていたらしい。
不意に、僕の身体を強い力でギュッとしてくれた。
身長150㎝の僕は子供のようで、彼女の胸にスッポリ頭がおさまる。
まるで母親の如く、僕は甘えるように身体を預けていた。
だって、これで二人は別れるのだから。
彼女の父は外交官で。
中学卒業のあと、ヨーロッパに旅立つ。
永遠の別れではないけれど。
再会できる日は遠い。
大好きな女の子の前で。
僕は彼女から告げられた残酷な話を疑いもせず、泣きだしたのだ。
こんな情けないヤツ。
嫌われると思ったけど。
春間近の公園で。
薄い西日が差すジャングルジムの前で、彼女は、由美はギュッとハグしてくれたんだ。
10年前。
切ない日の思い出が今、僕の脳裏に蘇っていた。
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コンテスト用に投稿してあるため、字数の関係上一旦、ここで終わりになります。
この小説は下記とリバーシブル形式になっていますので、続きが気になる方は御読みくださると、幸いです。
「私が小さな男の子を好きになった理由」は下記のリンクで移行できます。
是非是非、どうぞ。
https://kakuyomu.jp/works/16816927862928745200
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