第五章 予行演習
「い、いてぇっー・・・」
何度、この叫びをあげたことだろう。
山田の言うとおり、告白した後で走って。
そして・・・こける。
おバカなシーンを。
僕は告白の前日、公園の芝生で特訓をしていた。
だって、そうじゃないか。
本番でビビッて立ち止まるなんて、あり得ない。
そんなの、そんなのは僕の告白じゃないんだ。
山田の受け売りもあるけど、吉川さんの胸キュンを・・・。
僕は必ず勝ち取りたいと。
そう、願っていたんだ。
だって、僕は。
吉川由美に、ぞっこんなんだから。
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