赤の章
第6話 押しかけ女房?
「はぁ……何か色々大変な事になったなぁ…」
あれから一週間…早い人は開示請求が通って少しずつ逮捕されていってる。
でも、まだ大袈裟にはなって無くてそこまで騒ぎにはなってない。
「どうかしましたか?柊羽くん。」
今日はダンジョンに来てるんだけど…何故か何時の間にか隣に観月さんが居ると……
「どうしたもこうしたも何でいるの?それと何で名前呼び?」
「何となく探索に来たら柊羽くんが見えたので追いかけました。名前呼びは…優理さんや茉奈さんが名前で呼んでるからですね。駄目でした?」
「駄目じゃ無いけど…それで?一緒に行くつもり…?」
「はいっ!ご一緒させていただきますっ!」
「まぁ…いいけど、折角だし配信する?てか、良く知らないんだけど、観月さんのスタイルは?」
「ですね!私のスタイルは、そこまで悪くは無いと思いますけど?優理さんと茉奈さんと比べたら…足りないかもですけど…」
「そういう話をしてるんじゃないって…「分かってますっ!冗談ですっ。」…はぁ…」
何故か疲れた俺は、直ぐにドローンを起動…そのまま配信を開始する。
「えっと…映ってる~?どうもーシュウですー。」
:きちゃ!
:待ってた!久々!
:神代家の後から何も無くて心配してたよー!
:あれ?あれ?既にダンジョン??
「はい、既にダンジョンに来てます。それでですけど…」
「どうも皆さん、こんにちわっ。観月ですっ。ダンジョンに入って行く柊羽くんを見かけて追いかけて押しかけ女房しちゃってます。」
:ぉぉぉっ!コラボだっ!
:観月ちゃん可愛いー!
:ダンジョンデートかぁ!
:命がけのダンジョン…若い男女が二人…
:何も起きない訳も無く…
「何もおきねーよ!?普通に間引きするだけです!って事で、今日は目赤ダンジョンに来ています。」
「来てまーす!ここは属性的に言えば火属性のダンジョンで有名ですね。」
観月さんが弓を出しながら俺の隣に並んで一緒に奥まで進んで行く。
「まぁ、そんな訳でちょっと面倒なんですがやって行きたいと思いますが…」
:何か…不穏な空気?
:思いますが…?
「ちょっと失礼。」
「きゃぁっ!ちょ、ちょっとっ?!///」
「んじゃ行きまーすー。」
「キャァァァァァァァァァァっ?!」
観月さんをお姫様抱っこした状態で崖から飛び降りる。
MaNa:ちょ?!デートずるい!
YuuRi:お姫様抱っこ!!!
幸月:観月のばかぁぁ!抜け駆けーー!
紗月:後でお話ですね…
:GodDessも見てるのか…
:抜け駆け扱いwww
:ざけんなてめぇっぇぇぇ!触れてるんじゃねぇぇぇぇ!
:うわw出て来た…w
:殺す!殺してやる!依頼だしたから覚悟しておけ!!!
「よっとっ!ほいっとっ!」
「ちょっ!死ぬっ!死んじゃうっ!」
「大丈夫!大丈夫!ほいっとっ!」
スパンッ!と落下中に襲って来た炎蛇をスパッと切り裂く。
:今のファイアスネークじゃね…?
:Aランク…
:炎吐いたり巻き付いて燃えたりしてくる嫌な奴…
:流石と言うか…観月ちゃんのリアクションが可愛い件
:お姫様抱っこはズルいけど可愛い
:自由落下してて可哀そうだけど可愛い
「うっしっ!着いたっ!」
ズダン!とでかい音を立てて地面に降り立つ。
「ふぇぇぇ…ほえぇぇぇ…はれぇぇぇ…」
「生きてる?着いたよ。」
降ろすと…ペタンって感じで女の子座りで呆けてるのを意識が戻るまで隣で待つ。
「柊羽くん…の…ばかぁ…」
:涙目ばかぁいただきましたぁ!
:まぁ…これは怖いよね…
:やっぱり可哀そうだけど可愛い
MaNa:ちょっと溜飲下がったw
YuuRi:観月がんばw
幸月:抜け駆けの事は許そうかな…w
紗月:観月ねぇの悲鳴初めて聞いたかもw
「大丈夫です…うぅ…酷い目に合いました…っ!はぁぁっ!!!」
ドシュッ!と襲って来た炎狼に向かって直ぐに弓を構えて発射する。
「お見事!よっとっ!」
ザンッ!と怯んだ魔物相手に俺も一瞬で近づいて斬り裂き真っ二つにする。
「ふうぅぅ…柊羽くんもお見事です。今は普通に斬りましたよね?」
「うん。あの程度なら斬撃を重ねる必要も無いしね。」
「流石です。ところでここは…?」
「深層の始まり。ここから先に進めば最後に深淵への入り口があってその手前に門番がいる。」
「深層って…私達はまだそこまで行く力は無いですよ?」
「大丈夫。戦い方は教えるし観月さんの実力で俺と一緒なら行けるよ。」
「はい…分かりました。では本気で行く為にも私も出し惜しみは無しにします。」
MaNa:ちょ!観月待って!やる気?!
YuuRi:いやいやいやいや!放送してるんだから駄目でしょ!!!
:うん?俺等が知らない事がある…?
:観月ちゃんの本気?
幸月:観月待ちなさい!駄目!
「♪~♪~♪霞んで見える♪~♪~♪あの空を目指して♪~♪~♪」
観月さんが急に歌い始める…その歌声は正に女神の美声…
紗月:観月ねぇ駄目だって!!!
:綺麗…
:髪の色が…
歌が続くのと同時に観月さんの容姿が変わる。
髪の色は完全な銀色から金色も混じったシルバーブロンドに、瞳の色はアメジストとエメラルドのオッドアイに変わる。
そして……
「これは…力が溢れて…」
幸月:あぁぁ…やっちゃった…もう…
:凄い…これが観月ちゃんの…
:力の解放…何て隠し玉…
紗月:怒られても知らないよ…
「驚かせてごめんなさい。深層を進むなら必要だと思って…ふっ!」
ズドンッ!とさっきとは明らかに違う威力の矢が魔物に突き刺さり壁まで吹き飛ばす。
「凄いな…これならそこまで気を使わなくても良さそうだ。それじゃ行こうかっ。」
「はいっ!行きましょう!」
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俺と観月さんの二人は最初の時とは違うスピードで進んで行った。
俺もそこそこの力では進んでいるけど、それに遅れる事も無く確りと付いて来てながら、襲い来る魔物をどんどん倒して魔石や素材を回収していった。
炎狼、炎蛇、炎虎など火を司る系統の魔物をガンガン倒しながら進んで行った。
:すげぇ…シュウが凄いのは勿論だけど観月ちゃんも全然負けてない
:シュウくんかっこいいーーー!凄い!凄い!
:GodDessって言われ始めたのはメンバーの見た目からだけど今の観月ちゃんの姿は…
:まさしく女神だよねぇ~…同じ女でも憧れるくらい綺麗
:女だけど可愛いじゃなく綺麗って出てくる時点で本気で綺麗だと思ってる
:可愛いって言ってる時はまだ自分の方が勝ってると思ってるしね
:やめろ!男達の夢を壊すなwww
:逆だって同じでしょw
:それはそうだけどw夢壊さないでw
YuuRi:観月無茶しないでよ!
「おし!着いたね、ボス部屋。ここを超えると深淵に入れる様になるんだ。間引きとしては十分だし倒さなくても良いけどどうする?」
「ふぅぅ…勿論行きます!柊羽くんも居ますし勝てますよね?」
「まぁ…負ける事は無いかな?俺は勿論だけど、今の観月さんなら余裕だと思う。」
解放状態の観月さんの攻撃速度がヤバい!一射の時は余裕で貫通するし、見た中だと9射まで連射するし、それに何より…背中から出てる羽根みたいな光も射出するしで隙が殆ど無い。
「それに、俺にもバフがかかってるし負ける理由が何処にも無いかな。」
「では…行きましょう!目赤ダンジョン深層のボス討伐の開始です!」
俺と観月さんの二人は一緒に大扉を開け、中に入って行く…そこには一匹の巨人、炎の巨人と言うべき存在が鎮座していた。
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