第3話 おっさん、気づいたら森の中

小川の流れる音、木々が風に揺れる音、動物の唸り声。

まるで森の中にいるようだ…

「夢か…」

目を覚ますと、そこは知らん森の中でした…


現実が受け入れられない。ふかふかのベッドだと思っていたものはふかふかの腐葉土で、BGMかなんかだと思っていた周囲の音は、実際のもの…

「ってことは、近くに唸り声をあげるような動物がいるってことか…」

それを知ったところで、今の自分には身を守る術はない。

とりあえず状況を整理するために、あたりを見渡してみる。

起きる前に身につけていたものは、ほとんどなくなっている。

代わりに、まるでRPGの初期装備のような見た目の服と鞄を身につけていた。そして何故か口元を覆う布も。

ふと川に映った自分の姿を見て違和感を覚えた。

「ん?若返ってる…?」

こういう状況って、最近流行っている異世界転移とやらじゃないかと少し考えてみる。

よくSNSの広告なんかに出てきて、もう飽きたって言われてるやつ…

あまり信じられないが、自分がその状況と仮定すると次に自分がするべきことが見えてくる。

「とりあえず、自分のステータスを確認するところから始めないとね…」

おっさんにもなって声高らかにステータスオープン!!って叫ぶのは恥ずかしかったので、ダメもとで心の中で唱えてみると、目の前に色々な情報が現れた。


ヒロ

15歳

HP 500

MP 500

ユニークスキル

ポイズンブレス(常時)

毒耐性(常時)

アイテムボックス

装備

初期装備(固定)、ミスリル剣、マジックバック(極大)、運営(神)からの手紙、プレゼントボックス(大)


「なるほど…いくつかすごい不穏なことが書いてあるけど、それは置いておいて、運営(神)からの手紙って何さ…あるとしたらマジックバックの中か?」

手紙のことを考えながらマジックバックに手を突っ込むと、手紙っぽいものが手に収まった。

とりあえずこれを読まないことには何もはじまらないと思い、読んでみることに。

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