第2話 おっさん、引きこもる

人と接する必要性を見失った俺は、早速部屋に引きこもって生活することにした。

食料品や日用品だって今時デリバリーがあるわけだし、はっきりいって外に行く必要性を感じない。日光浴なんぞベランダで十分だ!




…というわけで、俺の引きこもり生活ははじまった。

正直、快適すぎてヤバい。

俺は暇すぎたため、料理を極めてみたり、映画鑑賞をしたり、小説を読んだり、ゲームをしたり、興味の赴くままに勉強をしてみたり。少し早めの隠居生活を満喫していた。


今日は何をしようかと考えながら、朝のルーティンの一つであるメールチェックを行う。

株の他にも趣味で始めた内職など、意外にも引きこもりながらの仕事はたくさんあり、細々と仕事もしている。そのため仕事関連のメールなどを見逃さないように膨大に届いているメールを確認するのが朝のルーティンとなった。


「今日はあんまり興味深いメールはないかな…?…ん?」

最後の一通のメールを開くと、デカデカとおめでとうございますと書かれている。何かしらの懸賞でも当たったかと読み進めてみると、なんてことない、一昔前に流行ったようなチェーンメールのようなものだった。

「チェーンメールとか懐かしいな〜昔は呪われるとかそういう感じだったけど、今時はこんなんなのか〜神に選ばれたとかめちゃくちゃ厨二ちっくな文章笑…このメール作った人も、まさかこんな引きこもりのおっさんにまで届くとか思ってなかっただろうな笑」

メールチェックを終えて、用意した朝食を食べる。

今日やりたいことを考えていると、猛烈な眠気に襲われてきた。

特にやらなきゃいけない急ぎの仕事もなかったため、もう一寝入りすることにする。これぞ引きこもり、不定職者の特権!

布団に潜り込みながら、なぜか先ほど見たチェーンメールのことを思い出し送信者特定したいなと思ったところで意識が途絶えた。

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