第14話 夏休み

遊園地デートから1週間程経った。

俺達は、遊園地で互いの望みを言った…これからもずっと一緒にいれたら…そんな気持ちが頭の中を埋め尽くしていた。

「来たなぁ〜」

「おはよう。修斗。」

「どうした?今日はやけに元気じゃないか。」

「お前なぁ〜」

はぁ〜とため息をつく親友。

「明日から、夏休みなんだぞ?」

あぁ、と納得がいった。言われてみれば今日は、終業式だった。

「なぁ、今日飯食いに行かね?」

「あぁ、いいよ。」

「よし、決まりぃ〜」

その時だった。

「ゆーくん〜」

「結衣?」

結衣が、俺のクラスへと来たのだ。

「どうしたんだ?急に。」

チラッと横を見る結衣。結衣の後ろには浅田さんもいた。

「今日さ、ご飯食べに行かない?学校終わったら…」

困ったな…

「優也…今日はやめとくか?」

その時親友が声をかけてきた。俺は、少し迷ったが一つ提案をした。

「みんなで、ご飯食べに行かない?」

「それいいな。」

「私も賛成〜」

「浅田さんは?どうかな…。」

「わ、私は…結衣がそれでいいなら。」

ものすごく小さい声で喋っていた。何かあったのだろうか…

「じゃあ皆んなでご飯を食べに行こうか。」


 終業式は問題なく終わり、俺達は、夏休みへと入った。

「結衣。」

「何?」

俺は、疑問に思っていたことを話した。

「浅田さん、様子が変みたいだけど何かあったの?」

すると彼女は、俺にしか聞こえない声で囁いた。

「凛ちゃんはね、高田君の事が好きなの。」

「そうだったのか。」

「おーい、何二人でイチャイチャしてるんだ〜自慢か?」

「あははは、違うよ。ごめん修斗。」

俺は、謝りつつ心の中で、この事は修斗に話さないでおこう…と決心した。

 俺たちは、近くのファミレスへ行き、席へと案内された。

 「カップルは隣同士じゃないと。」

親友がそう言って来たので、隣同士で座った。

 だが、そうなると、修斗の隣に浅田さんが座る事になってしまった。

「……ッ」

俺は、浅田さんの方を見るとものすごく緊張していた。やはり隣に好きな人が座っているのだから、落ち着かないのは仕方ないのだろう。申し訳ないなど、と思っていると…

「お待たせいたしました。」

頼んでいたメニューが運ばれてきた。

【いただきます。】

全員でいい食べ始めた。

「ねぇ、ゆーくん。私もゆーくんが食べてるそれ食べてみてもいい?」

「あぁ、いいよ。」

俺は、結衣へ、人生初あーんをした。

今度は、結衣が俺に、あーんをしてきた。

その光景を見た親友は、

「アツアツで何より」

少し殺気を入れながら、俺の目を見た。

俺は、結衣と会話をしながら食べていた。

「浅田さん。」

「ひゃ、はい…。」

「ご、ごめん。そんな緊張しなくて大丈夫だから…ただ気になる事があるから、後で時間をくれないか?」

どうやら、修斗と、浅田さんが何かを話しているようだった。何を話しているのか、気になったが…

「ゆーくん…夏休みどうする?」

「うーん…まぁ家で勉強か、ゴロゴロしてゆったりと過ごしてるかな。」

「そうなんだ、今度はさ…」

彼女は、少し恥ずかしいのか、小声で話した。

「ル…プ……」

「な、なんて?」

彼女は、少し怒り、俺の胸をポコポコと叩きながら、耳元で呟いた。

「プール行こ?」

「え⁉︎あ、うんいいよ。」

意外な、誘いだった。

にしても、プールか…体を鍛えておこう。そう心の中で決心し、何もない俺の、夏休みに一つ目標が出来た瞬間だった。

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