第3話 告白【2】
「まぁ勝負だからな今からお前に罰ゲームを命令するぞ。」
瞬間ニヤリと笑うあいつの顔を見て、頭の中に嫌な予感が遮るのだった。
親友は大きく息を吸って数秒経ってから言葉を発した。
「学年1の美女、天乃結衣さんに告白をすること。」
「は?」
思わず声が出てしまった。それもそうだ、なんで俺が天乃さんに?
「聞こえなかったのか?優也は天乃さんに告白すること。」
「いやいや、いくら罰ゲームでも限度というものがあるだろお前」
「ふっふっふ、罰ゲームと言ったらこのぐらいじゃないとなぁ〜?それとも逃げるのか?お前だって男だろ?ちゃんとやってくれないと…」
クッソこいつ親友だと前に言ったがこうゆう時に限っていつも無茶な事ばっかり言いやがる。バカ(修斗)のせいで俺は天乃さんに告白する事になってしまった。
〜その日の夜〜
俺は一人家のベットの中で考えていた。どうやったら上手く誤魔化せるのか、などと逃げることだけが俺の頭の思考を埋め尽くしていた。
「クッソ、どうすればいいんだよ…」
前にも話したと思うが、俺個人天乃さんに特別な感情を持っていない。それに天乃さんのクラスは1年4組、俺とクソ(高田修斗)のクラスは1年1組だ少し話しかけづらいというか何と言えばいいのか少し恥ずかしい気持ちもあった。
「とりあえずさっさと告白して実は罰ゲームでしたって言うしかないよなぁ〜面倒な事になったな。」
と言って俺は眠りにつくのだった。
〜翌日〜
俺は1時間目の授業が終わった後に天乃さんがいるクラスに行った。
「今、天乃さんっている?」
その次の瞬間子供のように飛び出してきた天乃さんがいた。
「ゆーくん、ゆーくん久しぶりだね!」
彼女の目はキラキラしていていかにも嬉しいみたいな表情と仕草だった。
「おいっなんで天乃さんがあんな奴と話してんだ?それだったら俺の方が…」
やはりというか、1組の男子からしたらあまりいい評価ではないようだ。小声で話しているつもりなのか知らないが俺の方までその声が聞こえた。
俺は天乃さんしか聞こえない声で話した。
「天乃さん、今日の放課後時間ある?」
「うん、暇だよそれにしてもどうしたの?ゆーくんから声かけるなんて珍しい事も起きるんだね。」
「まぁたまにはいいだろ、今日の放課後時間空いてるんだよなそれだったら屋上に来て欲しいそこでしか話せない話がある。」
うわぁ〜今にも死にたい、そこでしか話せない話があるとか言うのめっちゃ恥ずかしいんですけどっ!あの野郎。
「それじゃあ俺は戻るから、忘れずに来て欲しい。」
その言葉を言った瞬間、チラッと天乃さんの顔を見た、真っ赤に染まっていて今にも爆発しそうな赤さだった。
〜放課後〜
「ゆーくん遅れてごめんね。」
「大丈夫だ気にしないでくれ」
「それで、ここでしか話せない話って何?何か深刻な話なの?」
「いや…そんな訳じゃない…」
何秒もの沈黙があった。たった数秒だと言うのに俺にはその数秒の沈黙がとてつもなく長く感じた。1分いや30分程、時間がゆっくり進んでいるかのようだった。
そして俺はついに意を決して、天乃さんにその言葉を言うのだった…
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