第2話 告白【1】
それからというもの時間の流れは恐ろしいほどに過ぎていった…
その間に分かったこと1つある。
どうやら両方の親はかなり仲がよく、飲みに行ったり遊びに行ったりしているらしい。
一方で俺と天乃さんの関係は特に普通と言ったものだ、お隣という事もあってたまに一緒に帰ったりする程度だ。俺個人天乃さんに特別な思いなどは持っていない、きっと天乃さんも同じだと思う。
天乃さんとは、中学も同じ学校だった。相変わらずと言っていいのか人気者だ。
俺はというと中学の時に親友と呼べる奴が出来たという事ぐらい。
そいつの名前は「高田修斗」だ。勉強が少し苦手なぐらいで、それ以外は基本的になんでもできて頼りになる奴だ。
修斗との出会いはまあ今度話す事にしよう。と頭の中で考えるのだった。
高校1年生の入学式の時クラス分けの表を見て自分の名前を探していた時だった。
「あった。」
「どうやら俺と同じクラスみたいだな優也」
「あぁそうなのか?それは悪い1年になりそうだな修斗。」
「酷くない!?」
「冗談だよバーカ」
親友とくだらない話をして高校生活を過ごすはずだったのだが…
1ヶ月と半月が経過した頃だった。
「俺、もしかして陰キャ?」
「そうだな、完璧な陰キャだな」
知っていた。俺自身人と関わるのはあまり得意じゃない人種だった、しかし一人や二人ぐらいは話しかけてくるだろうなどと浅はかな考えだという事に今更気づいた。俺はこれからどうしようなどと考えていると、親友が誘ってきた。
「なぁ、お前今日この後ボウリング行かね?」
「いいけど誰と行くんだ?」
「あぁそれは大丈夫だ、元々俺と友達だけで行こうと思っていたが、人数は多い方が盛り上がるからな」
「そ、そうかじゃあお言葉に甘えて参加させてもらうよ。」
「あ、一つ忘れてたスコアが一番低かった奴は一番スコアが高かった奴の言う事を聞くこと。」
「はぁ、そうか罰ゲームみたいなもんか。」
「そうだぜ!そっちの方が本気で皆んなプレイするだろ。」
「それもそうだな。わかった放課後行くか。」
「珍しく乗り気だなお前、忘れんなよ。」
〜放課後〜
「よっしゃ‼︎来たぜ」
相変わらず、元気な奴だなと考えていると…
「おっしゃ!ストライクだぜ、この調子でバンバン決めるぜ。」
「おいおい、いくらなんでも上手すぎじゃねーか?修斗」
どうやら修斗の友達は驚いているみたいだ、もちろん俺も驚いているが、腕には自信があるので最下位にはならないだろと呑気に考えていたのだった。
「あ、あれ?なんか急に調子が、、」
急に調子が落ちてきたのだ、スペアは1回とっただけでそれ以外は目立った戦績はなかった。少しやばいと焦ってガーターを出してしまい、そこからはご想像にお任せする。
「まさかお前が最下位とはな優也」
「お前が強過ぎるだけだろ、スペア1回取ってそれ以外は全部ストライクとか誰も勝てねぇよ」
「まぁ勝負だからな今からお前に罰ゲームを命令するぞ。」
瞬間ニヤリと笑ったあいつの顔を見て、頭の中で嫌な予感が遮るのだった。
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