盗まれた我々の金?

我々の金

…少なくとも年金をコツコツ貯めたやつとか

では無いわよね…

だって、我々だものね複数人だものね…



「盗まれた…とは?」


「うちの若いのに思い上がったのが居ましてな…腕は確かで頭もキレれる…それに…」



「それに?」


「妙な武器を使うんです」


「妙な武器?」


ナナシは表情を少し険しくさせ

さらに質問する


「妙な武器とはどのような?」


「それが…手には何も持ってないんだ」


「え?」


私は思わず声を出した

手に持って無いのに妙な武器?…どうゆうこと?



「我々もどうやってるか分からないんだ…ただ、信じられないことにヤツの手からは10センチほどの針が出るんだ」



そう言うとおじいちゃんは

鞄の中からハンカチにくるまれた針を机に出し



「なに…これ?」


そこには凄く細い針があったさわらせてもらったが

この細さにしては信じられないくらいしっかりしてる

長さはおじいちゃんの言った通り10センチくらい

これを人に向けて射つの?



「何人もこいつの餌食になってしまってな…我々では対処できないと困っていた所、メリーとゆう女性からこちらを紹介されてね」




メリーさんの紹介だったのね



「まぁ、メリーさんは善悪裏表無しの情報屋だからな」


よく言えば平等なわけね。


「お話は分かりました…では、潜伏場所とだいたいの向こうの構成員の数を教えてください」



私が色々考えているうちにナナシさんは

淡々と話を進める




こうして、2時間ほどで話を進め潜伏場所と構成員の数

報酬の相談、期限などの話を終え

おじいちゃんは満足した様子で帰っていった





「なかなか、面倒な話だったね」


「そうだねぇ~…構成員100人以上はなかなか多いね」


「まぁ、よっぽど金を蓄えた組織だって事だな…そんな人数を短期間で集めちまうくらいの」



「そうね…これ、どうするの?」


おじいちゃんによると

潜伏場所は郊外のビル

何でも10階建てビル全部がその組織のものらしい

表向きは建築会社何だとか…いやいやスケールでかいわね!

報酬は取り返したお金の1%

少なく聞こえるけどナナシさんコソコソ話で

ビクッてしてたし金額は大丈夫そう

ってかまじでどんだけ盗られたのよ…




「さて、今回あまり大人数で行くと警察に目を付けられた場合少々めんどくさい…なので出来るだけ目立たずにことを済ませたい」




なるほど、全員倒すとかじゃなくて

コソっと入って盗んじゃう訳ね?



「って訳でもう少しで帰ってくるあの子が適任だと思うんだけどアー君どう思う?」



「いいんじゃないか?あの人なら冷静に判断できるだろうし」



え?また誰か来るの?

ってかこの事務所何人居るの?



「あと2人よ」


「当たり前のように心を読みますね!?」


つまり私を含めて6人、タマさん合わせて7人

そこそこ大所帯ね



そんな事を考えているとリビングのドアが開き



「ただいまぁ~…おや?知らない子がいるね?新人さんかな?」



物静かそうな右目を黒髪で隠し

少し大人びた男の人が立っていた


「イケメンだ…」


私はまたそんなアホな本音を呟いてしまった

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