凸凹
先程帰ってきたシン・イケメンは
ドアの前で背伸びをするとこちらに
気付き笑い掛けてくれた
え?やだ、惚れそう
「……あなたチョロすぎるわよ?」
と、ナナシさんに失礼なことを言われたが気にしない
何故ならイケメンがこちらに微笑み掛けてくれてるから!
なんて邪なことを考えていた私に
イケメンは話し掛けてきた
「初めまして、新人さん僕は#百済 響__くだら ひびき__#よろしくね?」
スッゴい物腰柔らか…どっかの野蛮な男とは
大違い
「お前今失礼なこと考えただろ?」
野蛮男こと秋兎がこちらを睨んでいる
「まぁ、それはさておきだ素晴らしいタイミングだ響…帰って早々で悪いが君に話がある。…いや、君達に話がある」
君達?
…響さんと誰?
そう私が疑問に思っていると
後ろのドアが少し開き
「荷物は片付け終わったかな?お姫様?」
ナナシさんが妙なことを言う
お姫様?響さんは男の人でしょ?
どっちかと言えば王子さまじゃ…って
「ん?」
少し開いたドアから何か白いワンピース
みたいな布がヒラヒラ覗いている…何か
「ちっちゃい子が居るドアの向こうに」
私がそう言えとドアの前の響さんを吹き飛ばす勢いで
ドアが開き
「ちっちゃいとは失礼ね!新入りの癖に!」
そこには赤い髪の小さな女の子が偉そうに
胸を張って立っていた
「ちっちゃい」
「ちっちゃい言うな新入り!!」
「こら、魅里(みさと)挨拶しな?」
響さんは吹き飛ばされても怒ること無く
女の子の目線に合わせてしゃがんで話し掛けた
響さんの身長が高いのもあるけど
魅里ちゃん?小さい…140位よね?
何年生?響さんは190位あるし…
凸凹どころじゃないわね…
「うるさいわね響!分かってるわよ!九 魅里(いちじく みさと)よ…よろしく」
「ふ、二人ともありがとうございます…節菜です。よろしくお願いいたします」
私は自分が挨拶出来てないことに気付き
急いで挨拶をした
「節菜ちゃんね…よろしく」
「セツナね…よ、よろしく」
二人ともきちんと返してくれた
「うん…大丈夫そうだね…じゃあ、帰って早々で悪いが二人ともそれとセツナ話がある。」
あ、私も行くのね…まぁ新人だもんね!
私がやる気をメラメラさせている間に
ナナシさんは先程のおじいちゃんの
依頼を二人に説明した。
「よし…内容は入ったかな?開始は…流石にすぐは酷だから明後日にしようか?期限もまだ一週間あるしね。」
「明日はオフか」
「浮かれるんじゃ無いわよ響、オフでも準備とかあるでしょ?」
「オンとオフの切り替えってのが大事なんだぞ魅里?」
「ふん…あんたみたいに気を抜いてるやつが怪我するのよ響…あんたが怪我してもアタシ運べないんだからね?」
「分かってるって」
「本当に分かってるんでしょうね?…あんたトロいんだからしっかりしてよね?」
「おいおい…俺お前よりだいぶ歳上だぞ?」
「分かってるわよ!なら、歳上らしくしなさいよね!?」
「あらら…これは手厳しいね…ははは」
え?何あれ、ずっと見てたい
こうして、私は凸凹コンビと
大事なお仕事をすることになりました。
正直…ニヤニヤします!
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