水色革命
「な、なにこれ!?手が、え!?」
そりゃパニックにもなるよね
でも、一応動いてるから完全に干からびた
訳じゃないのか…ってか何で
「干からびたの?」
「あ、あんた!何したのよ!?」
女は声を荒らげた
当たり前だよね、私も急にあぁなったら
うろたえちゃうよ…
「あなたの手の水分量を調節したの」
「す、水分量!?」
「戻すね」
そう言うと深花ちゃんは握りっぱなしの手首を
見ると
「も、戻ってる」
先程のミイラ状態から元の手に戻っていた
「あ、あんた離しなさいよ!?」
「そんな態度とっていいのかな?」
深花ちゃんはニコッと笑いながら
威圧するように言う
「さっきのはかなり慎重に頑張ったんだよ?次は頑張れないかも」
「だ、だから離してください…」
「離したらネコタロの所に走るでしょ?」
「は、走らない!も、もう諦めるから!」
「ん~…でもね深花、そうやって嘘ついてきた人たくさん見たんだ~」
深花ちゃんは寂しそうにしながら
女に笑いかけている
「猫さん蹴ってしかも急にナイフで刺そうとする人信用できるかな?」
「で、出来ません!でも信じてください!」
完全に足がすくんじゃってる…やばい
ゾクゾクする
「ん~…じゃあ、離すけどもし離した瞬間ナイフで刺す気ならいいこと教えてあげるね?」
「な、なんですか?」
完全に両方別キャラになっとるがな
「深花の#能力__ちから__#は水色革命、触ったものの水分量を好きに出来ちゃうんだけど…」
なるほど、確かに一緒にお風呂は危険だったわけだ
ナナシさんごめんなさい。
「ち、ちから?水色革命?」
まぁ、そりゃそうなるけど
実際見ちゃったから信じなきゃいけないもんね…
気持ちは分かるわ
「もし、ナイフで刺す気なら、ミイラになるか水風船になるか考えてから刺しに来てね?」
深花ちゃんは元気良く笑顔で
まるで遊ぶ前の子供のようにワクワクしながら
言った
「ば、ばけも…の…」
あぁ~…気絶しちゃった…
そりゃ怖いよね…
その後、警察が来て
動物虐待の容疑で女は連れていかれた
…私は見つかると捜索願とか出されてると
面倒なので隠れて見てた
ネコタロだが取り敢えず
事務所に連れて帰ることにした
「やっと一息つける…」
ようやく帰ってきた事務所のリビングで
ナナシさんは不在だったのでふたりで
お茶を飲みながらお疲れ様会をしていた。
「そうだね…大変だったね~…」
「深花ちゃんありがとう…助けられちゃった」
「気にしなくていいよ!深花は先輩だからね!」
どや顔深花ちゃんかわよと思いながら
私は1つの疑問をぶつけた
「そう言えばさ、誰が警察を呼んだんだろうね?」
誰か見てたのかな?
でも、あの辺り人気なんて無かったし…
メリーさんとか?
まさかね…
「それなら簡単だよ?」
深花ちゃんはそうゆうと紅茶を一口飲み
「心配性の鳥さんが着いてきてただけじゃないかな。」
「鳥さん?」
何のことだろうと思いながらも
一仕事終えた満足感には勝てず
私は人生初の成功に酔いしれた。
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