気を付けて

私達はタマさんとの会話を終えると

ナナシさんのところに行った。


「お帰り。」


「ただいま。」


秋兎とナナシさんは慣れたように

挨拶を交わしている

なるほど…あれがお帰りなさいか。

テレビとかでしか見たことない…



「なに、ボサッとしてるの?」


私が二人を見ていると

ナナシさんが溜め息を付きながら

呆れたようにこちらを向き


「あんたも、ほら」


「…あぁ…えっと…ただいま…」


「ん。」


少し笑ったような顔をすぐに戻し

こちらをきちんと見て


「お帰り。お風呂でも入って来なさい」


「臭かったですか!?」


「違うわよ…」


表情変えずに突っ込まれた…


「疲れたでしょ?行ってらっしゃい」


「あ、ありがとう…ございます」


私は気遣って貰えたんだと感じた。

あぁ、気遣いって自分が受けて良いんだ



「ただし…」


「?」


「気を付けて入ってね?」


え?なに?その前フリ?


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