メリーさん
不思議な服の深花ちゃんと
別れると私達はホテル横の細道を進み
どう見てもただのホテルの裏口に手を掛け
「先に言っておくが、ホテルとは関係ないからな?」
「あら、バレた。」
「何度も言われればな…さてと」
私の突っ込みを回避した秋兎は
ドアを開けると
「記憶を受け取りに来た。」
と、中に入りドアを閉めてから
聞こえるか聞こえないかの声で言った。
やけに暗いな…
「記憶?」
私が何言ってんだって顔をしていると
床ををコツコツと歩くような音が聞こえ
「いらっしゃい…って何だ秋兎か。」
「何だとは何だジョッシュ…」
明かりが付くと中学生くらいだろうか?
可愛らしい男の子がそこに居た。
「……あと、誰だよその女の子?」
私の方を睨みながらジョッシュと
呼ばれる男の子はこちらを見た
「あぁ、新人のセツナだ」
「節菜です。よろしくお願いします」
「お、礼儀正しいじゃんか!よろしくしてやろう!」
えらそうな男の子である。
ちょっと悪くない。
「何にやけてるんだ?」
「に、にやけてないわよ?」
「…僕はジョッシュです。よろしく」
すこし後ろに下がってしまったジョッシュ君は
『案内します』と言い奥の部屋に案内してくれた
「……先生、入っていい?」
ジョッシュ君はそう言って部屋のドアを
叩くと何か合図があったのだろうか?
ドアを開き中に私達を案内し
「先生、お客さん。」
私が部屋に入り頭をあげると
机越しに
長…いや、何だっけ?
萌え袖?手が出てないどころか
20センチ位長い袖を振っている
白と黒のハーフ&ハーフの仮面を被った
不気味な人が座っていた
「いやはや、秋兎くんか…なるほどナナシ案件だね?」
女性だろうか?
仮面からは想像できないくらい
きれいな声が聞こえてきた。
しかしその声はあまり感情を感じさせない
ロボットのようだった
「あぁ、記憶を受け取りに来た。」
秋兎はメモらしきものを渡し
それを見た仮面の女性はすこし考えた
様子を見せて
「なるほど…先日の件か、助手君」
仮面の女性はジョッシュ君の方を見て
助手君と呼びながら手招きした
…あぁ助手のジョッシュ…クレヨ○しんちゃん
とかに出てきそう。
もしくは既に居そう
「助手君、調べ終わってるかな?」
「はい!もちろんです!」
すごく嬉しそうだなジョッシュ君…かわいい
「流石だね。」
仮面の女性はどこか嬉しそうにし
「さて、受け取り先は誰にするのかな?」
「受け取り先?」
「まぁ、俺だな。」
秋兎は少しイヤそうな顔をすると
仮面の女性の横に立ち
女性を挟んでジョッシュ君が立つ形に
なった。
「良いかい二人とも?」
「「いつでも。」」
二人がそう言うと女性は
二人の頭に手をおき
…何か座ってる女性の両端で男性二人が
しゃがんでるの面白いな
と、私は思いつつ
「よし…いくよ」
「あぁ、頼むメリーさん。」
私は笑いを堪えつつ
見守ることにした。
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