私だけの
なんやかんやあったものの
私は空いている部屋に案内され
渡された掃除道具一式で
掃除をし、最初からあったベッドに腰を掛けた
「掛け布団も出してくれたしやっぱりいい人なのかな?」
何にも無い部屋だけど
私だけの空間…落ち着くな
「ここが…今日から私の家」
私は産まれて初めてワクワクしていた。
明日を楽しみだと思ったのは産まれて初めてだ
「ってかお腹空いたわ…」
掃除が落ち着いたのもあってか
お腹の虫が騒ぎだした。
「…今何時だろ」
私は部屋から出て、リビングだろうか?
先ほど女性がいた場所に時間を見に行った
「うわ…」
0時過ぎてる…まっくら
流石にあの人は寝たみたいね…
「…明日食べよ」
私は諦めて部屋に戻ることにした
「おい…」
そんな私の後ろにはあの男が立っていた
ビックリした…
「私の背後に立つな」
「お前はゴルゴ13か。」
的確なツッコミをすると秋兎は
いい匂いをさせながら…って
いい匂い?
「何かいい匂いするわね?」
「お、分かるか?さっき風呂入ったからな」
「あ~…じゃなくて!」
「しぃ~…声がでかい。」
私はハッとして頭を少し下げた
「まぁ、冗談はさておき…ほらよ」
そう言うと秋兎は右手に持ったカゴを
こちらに渡し
「どうせ、飯食うの忘れてて腹減ったんだろ?
悪かったな。呼びに行こうとしたんだが、掃除盛り上がってたから放置してた。」
私、そんなにハイテンションで掃除してたかしら?
「まぁ、味は保証しないが一応、サンドイッチ作っといたから食べろよ。」
「あ、ありがとう…」
カゴを開けると綺麗なサンドイッチが
入っていた。
「飲み物要るなら、ゴンさんの店のキッチンの赤い冷蔵庫がうちの冷蔵庫だから勝手に…」
秋兎が丁寧に説明してくれているのに
私は、涙を隠す暇も無く流してしまった。
温かい…なんか…なんか…
「ありがとう…大切に食べるわ」
私はワクワクとよく知らない感情で
胸が一杯になった私は駆け足で部屋に戻った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます