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あの頃のボクと、同じくらいになったタケノコが、「もう怖くないよ!」と、ボクに話かけた。
「だって、もうこんなに大きくなったし、たっちゃんが大切にしてくれたから、もう大丈夫なんだ。」タケノコが、意気揚々と、ボクに話しかけてきた。
「そうか、それでも心配だから、また たっくんの所に遊びに来るよ。」
「うんっ。これからも来てくれると嬉しいけど、たまにでいいよ。たっちゃん、大変でしょ?」
そんなこと無いけど…と、言いかけたが、飲み込んだ。遠くを眺めてみた。
「寂しくなるね。」
「寂しくなるね。」
と、互いに、顔を見合わせた。
「でも、タケノコはずっとここにいるから
たっちゃんが忘れずに来てくれたら大丈夫だよ。」
「ボクは忘れないよ!いつだって、タケノコの味方だ。」
まっすぐと、ボクは、タケノコを見た。そして、「じゃあ、またね。」と言った。
「うん、またね。」と、大きくなったタケノコが、ザーッと葉を鳴らした。
ボクには、まるで、「ありがとう。」と、言っているように聞こえた。
筍のおはなし 花田 護(はなだ まもる) @denden_katatumuri
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