第22話何でも話せる関係は不正解?

恋愛する上で自己開示するのが大事。自分をさらけ出して、ダメなところも見せていったりするからこそ関係が深く、良くなって、最終的には結婚などにつなげられるようになるらしい。

私もそれには同感だし、そうだから配偶者には何でも思っていることは話すし、衝突すればとことん話し合いをしたいと思う。話し合えばわかり合えるというか、話し合わずして解決には至らないというのが当たり前だった。でも彼はそこでも私とは別のスタンスで、そもそもの価値観とか潜在感覚みたいなものが違う私達の間で問題が起きたときには、自己完結させる方法をとっているようだ。私の理解できない言動があったとしても、あえて責めないし、その真意や理由なども聞かない。多分、彼の中で推測して寛容にそれを受け止めているんだと思う。

私はそれに気づいて、また彼を尊敬した。相手に「何で?どうして?」などと聞いて全て把握せずして受け止める包容力がもてるなんてすごいと思ったからだ。私もこれを見習おうと思った。配偶者と衝突したときも、今までは納得いくまでの話し合いや折り合いをつけることばかり要求してしまっていたけど、自分の中でそれはそれのままという形で消化する。納得できなかったとしても、受け流せることは受け流せばいいし、相手の嫌なところに対してはそのように対応して、良い面だけ見ている方が気が楽だったりする。特に長く付き合わなければいけないような配偶者に対しては、そんなスタンスでいた方がよっぽど物事がうまくいくような気がした。先日久しぶりの夫婦喧嘩が勃発したときに、早速この考え方を取り入れてみた。自分の腹が立ってる理由や、同じ事件が再度起こらないようにするにはどうしたらいいのかなど、いつもなら話し合おうとする(相手を責めるようなかたちになる)が、それをやめてみた。黙ってやり過ごして、あえてその後普段より優しく対応する。なんとなく軽くやりすごせた気がした。当たり前だけど、人間100%完璧な人なんていない分、いかにその人が優れている、素晴らしいと思える部分を見て付き合っていかなければならないかという根本にスムーズに戻れるようになった。

こんな気付きも彼に教えてもらった大事な貴重なことの一つ。彼は本とにたくさんのことを教えてくれる。自分とは違った目線で違った角度から違ったやり方で物事を捉える。私はいつもそんな恩恵にもあやかっているなんて、本とに幸せだ。ありがたいし、大事にしたいと思う、あらためて。

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