第5話彼との直近のお出掛けの話
男性は自分の気持ちを許した女性に対しては口数が少なくなるというのは聞いていたけど、車での移動中とかも全然自分から話題をふってこないし、どこか他事を考えているようで、私からしたらつまらなそー。
私と一緒にいてもつまらなそーなら、私だって正直気分はよくない。だったらもう自分から誘うのはやめよー。そう思っていたので、最後に二人で出掛てから一ヶ月は過ぎようとしていた。
それでも彼は私とは違う気持ちでいたのか、前と同じように時間作ってほしいと言ってくれたのでカラオケに行ってみた。
案の定、行きはテンション低めでマイペース。やっぱり私の中で次はないかなー、なんて思っていた。
それでも前の章で書いたみたく、私は自分が頭で考えている以上に楽しんでしまったし、すっごい笑顔になってたし、幸福感もハンパなかった。何でかは不明。もはや理屈じゃない要素が関わっているとしか言いようがない。このとき、移動中のつまらなそーな態度のことなんかはどうでもよくなっていた。それよりも、彼の歌を聞いてる自分の喜びと幸福感が充実感となって、結局好き度を上げていた。
それが今度は私の何かに火をつけた感じで、もうその後は自分からくっついて行ってしまった。車の中で手をつなぎにいって、嫌じゃないかどうかも確認した。すっごい喜んだ様子じゃなかったけど、終始定期的に手を強く握り返してくれたことと、一度手を握ったまま私の手の甲の方に唇を当ててくれたことで、多分彼の気持ちは何も変わってないんだと思った。
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