虫を食む花
草木などとうに枯れて無くなり荒れ果てた地に、今、ヒラリと白い蝶が舞う。無垢な羽をばたつかせて一心に重力に逆らう姿は、なんともいじらしい。魅せられた地は彼女に近付きたかった。だから、1輪だけ咲かせた。
「それだけの話だよ、お嬢さん」
それはまるで、蝶の生気を奪うが如く。
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