第5話二階

それからぼくたちは二階へ上がった、二階には二つの部屋があり、ぼくたちはそのうちの一つに入った。

中に入ると、ベッドが二つ置かれていた。

「ここは寝室だね。」

「もしかして、この家の主は結婚しているのかな?」

「えっ、結婚している相手って、あのリビングの写真に写っていたあの人?」

「まちがいないよ、きっとそうさ。」

そしてぼくたちはベッドを後にした。

そして二つ目の部屋に入った、その部屋は先ほどの寝室よりも広く、一階の部屋と同じように絵がたくさんかざられていた。

「ここにも絵がたくさんある。」

「しかもみんな自作の作品だよ、今までにたくさん描いてきたんだ。」

「ねぇ、あの箱なんだろう?」

ぼくはテーブルの上に置いてある箱をみつけた、緑色で小さな宝箱だ。

「これ、開けてみようよ」

「えっ!?いいのかな、勝手に開けて・・」

「なに言っているんだ安野、もうここまできたら開けるしかないだろ。」

武之内はそう言うと勝手に箱を開けてしまった。

箱の中には指輪と、れんげの花が押してあるしおりが入っていた。

「ねえ、これって彼女の指輪じゃないかな?」

「確かに、きっとここには画家の男とその彼女が住んでいるんだよ。」

「・・・おかしい。」

ぼくはある疑問に気づいた。

みんなはぼくの一言に、首をかしげているだけだった。





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